== temp.txt ===== test.txt0 ==============================    74   ==「多体問題999」多体問題シュミレーション program ==      ==  MULTI CELESTRONS Three-NINE Ver1.02     ==      == CopyRight: 1999 Kazuki Kimijima Fujiwara   ==      ==          Kaztomi Miyama.        ==      ==============================      ・はじめに       この program は、高速CPUマシンに於いてかつては夢であった高速多体  問題を処理し表示させる、物理・教育用視聴覚ソフトです。      program について 1.概要 2.見送った機能 3.動作環境 4.推奨環境 5.梱包ファイル明細 6.操作方法と変数の詳細 7.コマンドライン用実行ファイルの操作方法  権利について 1.配布収録条件と著作権(1作者) 2.配布収録条件と著作権(2ボーランド) 3.移植と再コンパイルについて 4.免責 5.感謝・参考文献 6.余談・愚痴 7.連絡先  == program について=====  1.概要   実際の天体をシュミレーションするものではなく、複数の質点の重力挙動  を実験として表現するものです。   さしわたし3天文単位の円盤状に、1000個までの質点を乱数で散布し  ます。場所と初期速度は乱数で決まりますが、各々の質点は互いに同じ質量  とします。   これは都合Comet3xxからの拡張 program なので、空間・質量物理の定数  は太陽系空間のものを継承しています。   高加速度時計算精度保持の概念はTROI98/DVから継承しました。   名称は用意してある天体点の変数が1000点まで演算可能なところから  来ています。多体問題ではn個の要素演算をするとき、常に「自分が全体(  n個の要素)からどの程度の(重力)影響を受けるか」という計算が演算の  1ステップとなります。   自分自身からの(重力の)影響は計算せずに次の計算に移りますので、あ  る点における重力影響計算は1ステップ:n−1回の演算となるわけです。   すなわち、最大質点計算は1000天体ですから、そのばあい1点におけ  る重力計算は1ステップ:999演算になるところから来ています。   (実際にはパーソナルコンピュータの速度レベルでは、30から50質点  の演算が上限です。)  2.見送った機能   3次元対応計算もできますが、機械の処理能力を考えた場合、入門用体感  デモとしてx−y2次元で十分だろうと判断いたしました。  3.動作環境   9821、9801、DOS/Vマシンで動作します。   MSDOS、PCDOS、WINDOWS95/NTのDOSコマンドラ  インで実行して下さい。   画面はVGAモードに準拠して描画しますので、古い9801などの640*  400画面では画面の下半分が標準では十分に表示されません。そこで9801  用のスイッチを用意しましたので、入力時に選択して下さい。(入力変数の  項にて後述。)  4.推奨環境   総合処理能力1000から2000MHz程度のプロセッサを装備した機  械。浮動小数点処理を多用するので、そのユニットが装備されているハード  ウェア。  実装メモリー:2Mも有れば十分です。  ハードディスク:必要有りません。  日本語環境:必要有りません。   この program は英語モード仕様です。DOS/Vまたは95のブートフ  ロッピーでたちあげただけの機械で動作します。ただし、メッセージはすべ  て簡単な英語となります。  実際的な推奨環境としては、  処理能力300ー500MHz程度  メモリー32Mから128M程度  ハードディスク4Gバイト程度のNTワークステーション向けの既製製品:  が適当でしょう。できれば互換CPUよりも純正インテルの石のほうが浮動  小数点演算ユニットが保証されているきらいがありますので、そちらの方が  よいでしょう。(作者の環境:サイリックスM2:公称300MHzCPU、  メモリー32Mの自作互換機。)  PCのハードウェアを使う限りのより高速な環境は、複数のPCを32ビッ  トLinuxでつないだ、ゴダード宇宙センターの「ベーオウルフ」という  ソフトで実現できるそうですが、寡聞にも自分はその詳細を知りませんし、  このソースをLinuxのCコンパイラにうつす時間もたぶんとれないので  自分にとってのこの方面はおそらく未開拓のままでしょう。  5.梱包ファイル詳細。   この program はBorland/Imprise社のグラフィックドライバ(ランタイム  ファイル)を実行ディレクトリに要求します。解凍後に出てくる*.BGIのすべ  てのファイルをも実行ディレクトリに移動して下さい。  梱包ファイル:  READMEMC.TXT :このファイルです。  MC999.EXE :対話形式の実行ファイルです。  MCCMD.EXE :  DOSのコマンドラインから直接変数を入力できる形式の実行ファイルです。  バッチファイルなどから複数のシュミレーションを一括して次々に実行させ  たい場合などに有用です。  *.C :各ソースファイルです。  *.BGI :ボーランドのグラフィックドライバ。  BOREADME.TXT :ボーランドのコンパイラ・ランタイムファ  イルに関する著作権についての覚え書きです。  UPDATE05.TXT   :バージョンアップ情報についての記述です。  6.操作方法と変数の詳細:  ・操作   コマンドプロンプトあるいはエクスプローラ(Win3.1ならファイル  マネージャ)(MCCMD.EXEはコマンドラインからしか使えません。)  から該当の実行ファイルを実行して下さい。   注意!:入力時に実行 program が想定実行期間(単位は年)を聞いてき  ますが、多い天体数と同時にあまり長い時間(千年以上)を入力すると、デ  モに非常に長い時間がかかることがあります。   WINDOWSのMSDOSプロンプトなら窓を強制終了させればよいで  すが、DOS環境の場合はリブートさせなければなりません。(Cでも強制  終了のコマンド仕様があるはずなのですが、作者の不勉強になります。申し  訳有りません。)  ・操作のための入力数値。   全部で7つあります。  1)計算する天体の数 :2個から1000個までが選択可能です。  2)計算する天体の質量 :太陽の質量の何分の一かで入力します。  3)計算する天体の初期速度 :  各天体が最初に持っている自前のスピードの平均値を入力します。単位は地  球の公転スピードです。 program がこの値を元に自動で乱数の初期スピー  ドを割り振ります。  4)計算する(宇宙空間の)期間 :  年単位で入力します。 program の時間の単位は1/4日(6時間)です。  この時間単位を1ステップとして演算していきます。   以上で天体物理の入力は終わりです。   MC999.EXEは、以上の入力終了後、任意のキーを押せばデモが始  まります。この実行ファイルの場合、以下のパラメーターはそれぞれ規定の  設定値に内部設定されます。   以下はシステムが要求する入力項目です。   以下の入力項目はMCCMD.EXEでのみ入力・設定可能です。   MCCMD.EXEはコマンドラインから変数を入力する仕様になってい  ます。入力書式は後述します。  5)計算精度の入力(省略時0.001):   天体が異常接近したとき、強い重力で、単位時間あたりの計算誤差が増幅  される場合があります。計算誤差を低く抑えるためのスイングされる加速度  に応じて計算精度をスイッチする値を入力します。値が小さければ小さいほ  ど精密になりますが、その分実行速度が犠牲になります。普通は0.001  (地球公転スピードが単位)で十分です。  6)画面のスケールの入力(省略時5天文単位四方):   試験実行の結果、この項目を追加しました。操作実行の結果、要素の半分  以上の天体が天体雲全体の運動量の大半をもちさって外部空間に飛び出して  いきます。初期画面のままでは、デモの後期、中央には運動量を奪い去られ  て凍り付いた天体しか残らないので面白くありません。入力項目が増えて煩  雑ですが、必要悪と思って導入しました。適当な値は5から100程度です。  7)9801画面の選択(省略時VGA:640*480画面)   画面が640*400ドットのシステムの場合、選択して下さい。   入力は半角で、「98」と入力します。(実際問題、9801のプロセッ  サー速度(初期の486、33MHz程度)ではこのシュミレーション・デ  モはかなりきついと想われますが)。       7.コマンドライン実行用ファイルの操作。   コマンドライン用実行ファイル:MCCMD.EXE用の変数入力書式例  を以下に書きます。  (総て半角で入力して下さい)。  mccmd 10 300 0.005 500 0.001 5 98(リターンキー)  意味:10個の天体、各々太陽の300の1の質量、  地球の公転速度の.005の平均初期速度、計算期間500年、  計算精度チェックを0.001地球公転速度単位加速度で起動、5天文単位  (1天文単位=地球と太陽の距離)四方の表示宇宙空間。  使用画面は9801の640*400ドット画面。  バッチファイルに記述して連続実行すると便利です。   後ろ半分の3個のパラメーターは任意に省略できますので、以下のように  も記述できます。ただし、飛び飛びに省略することはできません。すなわち  98画面スイッチを使用するときは都合、全部の変数を記述してやらなけれ  ばなりません。  mccmd 10 300 0.005 500(リターンキー)   この場合は表示画面の設定はVGAになります。   !注意:対話版でもそうですが、入力されたパラメーターの形式を厳密に  検査する仕様にはなっておりません。適切でない入力をされた場合、システ  ムが停止する場合があります。その場合はシステムをリブートさせなければ  ならないことが有りますので、この program をネットワーク上の重要なコ  ンピュータで実行することは絶対におやめ下さい。  ==権利について=====  1.配布条件と著作権(作者)   この program ・アーカイブはフリーウェアです。使用・配布は常識的な  範囲で自由ですが、日本の法律上、著作権は放棄しておりません。  2.配布条件と著作権(ボーランド)   この program は、実行時に同じディレクトリにボーランドの動的グラフ  ィックスドライバ(ランタイムファイル)を要求します。このランタイムフ  ァイルは(株)ボーランド(現・インプライズ社)の著作物です。   ランタイムファイル*.BGI(複数の総て)は、ボーランドの使用規定に則り、  それ自体単品で配布することはできません。このアーカイブに収録されてい  る*.BGIファイルをそれ自体で配布しないでください。なお、ボーランドの  使用規定により、この事項に関わる文言を同じアーカイブ中のBOREAD  ME.TXTに転載したことをここに明記します。  3.移植と再コンパイルについて   何人でも、このアーカイブに収録されているCのソース program を修正  ・改良して新しい実行ファイルを作成することができます。   個人的にはUNIX版の実行ファイルが作られればいいですね。   その場合には新しい program ・アーカイブにこの program からの系譜  であること、ならびにわたくしのURLとメールアドレスを付記してくださ  い。(書籍の参考文献扱いと同様です。)  4.免責   この program を使用して起こるあらゆる損害について、作者は一切の責  任を負いません。(特に、ネットワーク上の重要なマシンで実行することは  絶対におやめ下さい。最悪システムが停止することがあります。)  5.感謝・参考文献   この program の系譜を応援してダウンロードしてくださったあらゆるひ  とびとに感謝いたします。  参考文献(敬称略):岩波新書「太陽系」      :ナツメ社 入門ソフトウェアシリーズ1「C言語」河西朝雄著      :技報堂  TurboC,TurboC++グラフィックス入門 中山茂著      :アスキー MSDOSフリーソフトTOOLS基本セット40( 書籍・使用ツールとして)      以上。  6.余談・愚痴   パーソナルコンピュータの普及が日本は率として世界第一級になっていま  すが、その割にはおそろしい大不況をはじめ、実感として経済巷間が豊かに  なっている気配がしません。   8ビットマシンのアプリケーションソフトがない時代に(自分で組むしか  ないから)プログラミング言語を学んだ現在たとえば30代のひとびとは、  そのような世相を心の引っかかりとして日常感じながら過ごされていること  とおもいます。   ジャストシステム刊「心とコンピュータ」(1600円)、に、人間精神  と計算機の関わり方の模索が種種掲載されていて興味深いです。   人工知能の話題を初め興味深いので、興味有る方は一度ご一読なされては  いかがでしょうか。   そのなかの一節として、「共通一次試験」が取り上げられています。   コンピュータ・システムが社会に進出してきて、もっとも大きな影響を与  えたものが(象徴としても)大学入試センターの計算機だというのです。   大量の受験者を「効率的に捌くために」教育システムや学習の現場が、知  らず知らず電算機側の都合に合わせた形で変質してしまい、これが、現在の  深刻な「精神不況」の深い一根となっている、(そう読める)というのです。   曰く、「点を取るためにはできる問題(こと)しかやってはならない」と  いう不文律が教育の現場に浸透し、効率学習と丸暗記の意味が過剰に増幅さ  れ、遊びやチャレンジ精神が徹底的に軽視されたというのです。   これが特に日本の若い世代のうえに重くのしかかる精神的な「負債」とな  って、たとえば心理活動としての経済の深刻な低迷として発現したのではな  いだろうか、とも読めるのです。   遊びとは新しい需要の源泉であり、   チャレンジ精神とは新しいビジネスや技術の開発のまた源泉ですから。   ネットワークにファイルをアップロードしていて感じるのは、パーソナル  コンピュータが普及してから、世相がより保守的に・より卑怯になったよう  な気配がします。この二つの言葉は、どう考えても景気を上向きに押し上げ  るファクターとなるとはとうてい想えません。   物理的な世界的工業製品の飽和傾向というものが有るとはいえ、既存設備  の陳腐化需要という意味でも景気が若干のプラス成長になりうる需要は依然  としてあるとおもいます。個々人の賃金は多少下がる時代になるかもしれま  せんが、それでも損なわれた「公」の精神とそれへの信頼の回復こそが、社  会再生の切り札としてもっとも強力な努力すべき要素だとおもうのです。   その意味で、「大学入試システム」の例にも関わりがありますが、人間が  コンピュータに向かい合うスタンスというものを社会「公」設計学というべ  き視点の見地からもう一回見直す必要があるのかもしれません。   個人的な意見としては、たとえば余り小学校の早い時期から児童にコンピ  ュータを触れさせるのは反対です。人格形成期に繭化してしまった児童は、  往々にして社会適応能力が形成されていないと理解しなければ危険です。   計算機および通信の教育上のもっとも悪い点は、「都合の悪いときには参  加しなくとも良い」という無責任さを助長するところがあり、大人が子供が  計算機に耽溺する児童を野放しにしておくと、コクトーの子供は「社会なん  てくだらないデバイス」という風に思い上がる危険性があります。   むしろ、個人的な半生を振り返って考えるに、子供にはナイフやハサミや  虫取り網や望遠鏡や自転車を与えるべきなのでしょう。そうして、自然物理  や社会肉弾のデータにでき得ない経験をこそ、やわらかい精神の発達時期に  十分体に染み込ませておかなければ、逆に将来計算機にまみえる時代になっ  て、「社会に強烈な影響をあたえうる計算機システム」というものに、実際  的で現実的なアイデアや精神を注入することはできません。   現在の(特に日本の)不況の物理的ではない面の主要なしかし遠因はこの  ような、「広義のコンピュータシステムによる教育の失敗」があるのかもし  れません。   社会でコンピュータのことを論じると、それが「情報機器」であるゆえに、  どうしても「人間が情報を吸い取る成長段階」という意味で学習と教育のこ  とを避けては通れないのかもしれません。   早いうちにコンピュータになれさせておかなければ、あとで覚えることが  できない、というのは杞憂です。パソコン修得のうちで最も重要なものはキ  ーボードタイピングですが、自転車に乗れるくらいの運動神経の児童なら、  年齢10代までなら1年くらい掛ければマスターできます。   長くなってしまいましたが、思うところあって記しました。   1999年3月。雑司ヶ谷にて。  7.作者の連絡先(深山数臣。)   URL:http://home.interlink.or.jp/~kimijima   メールアドレス  ニフティサーブ:VYE00525@Niftyserve.ne.jp  People :81966682@People.or.jp       =================================