============================== JavaスクリプトとXML(2001 Aug 13th) ============================== <この文書の内容は否定的内容です。> 保証は出来ませんが、 使用目的が限られる技能を修得するよりは、基礎的な学習を習得 することのほうがのち、より役に立つことをその趣旨とします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− この二つはかつて雑誌の特集などで良くねたにされました。 このふたつとも、いわゆるHTMLの拡張仕様で、共にブラウザ で読み込んで実行できるものです。 結論から言うと、実務の視点から言うと習得する手間のコストの 割には、あまり実用性のメリットはないものです。 1)はじめにXMLの欠点を挙げるとすれば、 それは技術的な仕様のほうにあるのではなく、むしろ拡張の過剰 さの程度のほうにあるでしょう。ひとことでいえば「すぎたるはお よばざるがごとし」というバブルそのものの業界の欠点がXMLに も実 装(!)されているのが現実です。 教養番組などで「匠の工房」のような番組で、壁一面にノミやか んながかかっている風景を思い浮かべてください。 重要なことは ・その工具は何十年ものの経験から工夫され使用者自らつくりださ れたものであり、 ・また、どんなに道具があっても一度に使う工具はせいぜい10前 後だということです。 XMLそのものの仕様は、この「何百本ものノミやかんな」に相 当します。 ただ、ふつうハイパーテキストを使用する目的と言うものは ・有限とは言え不特定多数が対象(管理運用も含めて) ・普通はそんなに特殊な機能が必要な業務は存在しない ということです。 この意味では、仕様は(万人が理解できる)出来るだけ簡単なも のがよいということであり、 (40億年前に遺伝システムが機能的に進化した過程の項目のひ とつは、無数にあったアミノ酸の種類を20種に絞り込んだことで した。アミノ酸の化学的コマンドを結果的な目的のために順番に連 結したものが酵素です。) 強引に業務目的のためにはHTMLやXMLを同じ範疇の物だと みなせば、 見掛けは格好悪いかもしれませんが、単純なHTMLを使用して いたほうが、手間としてのメンテナンスのコストははるかに安くて 済みます。 特殊な目的と言うものはプロジェクトとして一元的に考え、集中 的に実装したほうがいいでしょう。もちろん運用面での安全性は考 慮されなければなりませんが。 XMLはふつう、表計算やデータベースのからみで、WINDO WS環境を意識した状態で考えられることが多いですが、 人的運用の長期戦略を考えると、一度うっかりXMLを実装して しまうと、後々の運用で事実上管理不可能なコードを書いてしまう ことがあります。 人間はやすきにながれがちなものです。 そのようなことをふせぐためにはやはり最初にどのような仕様を 選ぶべきかということは、組織の生命線に関わることですから、普 通に考えるかぎりシステム部門だけに一任することは危険なのでし ょう。 2)JAVAスクリプト。 JAVAスクリプトも事情は同じようなところがあります。 JAVAの特徴と言うものを一言で言えば、 「コマンドラインのC++言語をブラウザのうえにそっくり移植 したもの」 と言えるでしょう。 ですからTurboC++(TM)や多くのWINDOWS用C 言語開発環境で行うような数値・文字列処理をたとえばインターネ ットエクスプローラの上で行うことが出来ます。 しかし、ここで冷静に考える限り、業務処理のような重要な作業 をものを事実上無償つまり自己責任のライセンスであるエクスプロ ーラの上で行って良いものでしょうか。 JAVAの技術としての性格はふたつあります。 ・WINDOWSのユーザーが有線リモートでつながっている場 合、その入力端末としてのインターフェース(ボタンや小窓など) を提供する。 ・手軽にC++数値処理をするための安価な環境。 ただし、後者の目的のためには比較的簡単な書式で済み、サポー トの権利もある製品版の専用コンパイラを容易したほうがいいでし ょう。 また後者は、JAVAが出来るのは「ユーザーに数値を入力して もらう」ところまでで、その数値を受信し、別途業務処理するため の重要な基幹プログラムは本社機能のあるマシンルームのサーバー あるいはメインフレーム上に構築しなくてはなりません。 それは実際には巨大プロジェクトになり、一企業の命運を掛けた シリアスな業務展開になります。このような事業は、企業と電子メ ーカの共同プロジェクトになることが多く、かなり専門的な半・外 注事業になることは否めません。 事実上、そのようなプロジェクトで招集される人員はそれなりの 専門教育と長い経験を積んだスペシャリストばかりで、とても2, 3年前に初めてキーボードを触った人間が出る幕ではないのはやは り残念ながら現実でしょう。 そういう意味では、営業業務(本当はこちらのほうがシステム開 発よりもはるかに重要なのですが)を中心に考える限り、 普通の人がJAVAを習得するメリットはほとんどない、といえ ると想います。すくなくとも2001年の現時点では。 ・・・・・実際、JAVAは業務展開と言うよりもブラウザの実 相装画面をきらびやかにするためにより、使われているのが現状で、 実際、無聊サイトのゲーム用の言語としてもっとも使用されている のが現実です。 ただ、業務は別として、お金がない学生が数値処理の演習をした い場合にはJAVAは電卓用言語の候補のひとつとして良いかもし れません(ゲームばかり作るようになって、学校にいかなくなると いう副作用はあるかもしれませんが(笑)。) <文書の終わり>。 ============================== ==============================