====================  三次元随想:未完  CopyRight miyama. 2011 December  kaz_kimijima@yahoo.co.jp  www.geocities.jp/kaz_kimijima ====================  1 はじめに  これは、筆者が高校卒業程度の素養をもと に三次元の基本幾何についてのメモをまとめ たものです  読者氏の立場からみれば、内容的には拙作 「平面ぐにぐに」の後編にあたります  自分が修学した次代は、高校の範囲では、 一次変換はxy二次元平面の履修だけでした  しかしながら、個人的に実感した範囲内で は、実は行列論は奥が深く、奥が深すぎるゆ えに私は本格的にはこれから学習するつもり もありませんが、  それでもその奥深さの意外すぎる面白さは、 実は一生が100年でも短すぎるという後悔 ととなりあわせのおなじくらいの面白さがあ ります  聞きかじりを許してもらえれば、数とは高 次空間の環群や類体の低次元への低位展開に ほかならず、わたしたちが普通に日常におこ なっている演算とは、もっと高位次元の一般 演算のある種の投影であり、  もともと複雑な世界の約束事の平易な単純 化された世界であることに気付かされる種の ものです  恣意の工学ではない哲学としての学問を知 っている学者や経験豊富な職人がしばしば謙 虚な態度であることは、このような「上には 上がある」という苦さと畏怖を骨身にしみて 知っているからなのでしょう  たとえば実は虚数は一次変換の基礎の概念 とほぼ等しく (個人的に再発見した実感によると、ド・モ アーブルの複素数の積算回転は、xy平面に おける三角関数の回転一次変換と相同です  高校の教科書にはかかれてはいませんが、 顔をだしている変数の性質によると、おそら くオイラーはこのことを知ってたのかもしれ ません  ハミルトンは四元数の研究を通じて、虚数 と行列と格闘しましたから、おそらく氏も知 っていたことでしょう)  このようなもっとも興味深くかつ一生の時 間では理解しきれないかもしれないと言う密 林のような恐ろしい分野はともかく、  一般履修の範囲内でも、幾何学のような概 念で感覚のアスレチックをしておかなければ 趣味としてもそれを十分に楽しむことはでき ないのかもしれません  実は今回は、3次元の変換幾何のまとめで す  筆者は、2次と4次の行列について先に簡 単な試行をしたのち、3次元の試行に手を染 めました  それほどたいした試行ではありませんが  2次と4次は、平面の代数演算におとしこ むことができる平易性をもっていますが、少 なくとも行列の性質に関する限り、3次元の 行列の性質はそれらとくらべて、なにかが 「破れ」ています  実は、4次の行列は、それを4分割するこ とにより、2次の平方行列の性質を説明でき るいわばくりこみてきな相同性(ただし4次 の性質のすべてを2次の法則では説明できま せん)が成り立っていますので、概念として は比較的理解のしやすい(どういうことがわ からないかという理解の切り分け方針が立て やすいということをも含む)世界ですが、  3次元は、奇数ですので、それらを有意な 下位要素に分割できません  その結果、現象が異常に振舞う傾向が、 「特異的な異常単位部分」にとどまらず、系 全体に「拡散」した状態として、行列の関係 全体にあらわれているような感触を受けます  あるいは逆に、これがわれわれの世界が実 は「必然性として」3次元であることの理由 なのかもしれません  ここから抽象的になりますが、  有機化学などで、炭素の電子雲の講義を受 けた方なら、理解がしやすいのかもしれませ んが、とかく高次次元は、より低位の対象性 にエネルギー的に(?)つぶれたがる傾向が あるようです  ただし、つぶれた結果の新しい対象性が、 もともと本来の、高次次元の対象性よりもそ の質はたいていの場合劣ることが多いようで す  1−1 4→3+1的崩壊  私は生い先短いので、もう高等数学を本格 的に勉強する気はありませんが、宇宙論の概 念での自分の知見が勘違いでなければ、以下 のような概念を持っています  ミンコフスキーから始まりホーキング氏に いたる幾何学的には平易な主張を素直に解釈 するのならば、もともと宇宙は時間のない4 次元の超対象性空間であり、あるときなにか がつぶれて(それがなにかであるかは私は知 りません)、突然宇宙のなかに質量と時間が 双子の関係性として出現したゆえに、現在の われわれの住む性質の宇宙時空(これは重複 定義です、宇は時、宙は空間を意味していま すから)が形成されたと考えられています  これは、ミンコフスキーの式を時間に対し て無理に解くとその解が虚数になることから 導かれます  もともと4次元の超対象性を破るペアとし て質量と時間が発生したのですから、その両 者のあいだにはもともと密接な関係があり、 考えてみれば、アインシュタインの主張をま つまでもなく、大きすぎる質量が、時間をね じまげてその進行をおくらせるのも散文的に は当然と想えるものかもしれません  また、このことが、実はxyz空間がその 3つの要素同士が、幾何的に実は等位である、 という良く考えてみると代数的には異常な状 態は実は、すくなくともわれわれの世界的に はこの世界に時間が存在しているということ がその異常の理由であるからなのかもしれま せん  ただ、この概念は時間のもつ不思議な性質 のすべてを説明するものではありません  この4→3+1的な崩壊は、おそらく微視 的な法則にも影をおとし、あるいは素粒子の 種類が常に3の倍数の世代をもっていること と関係があるのかもしれません  その意味では、素粒子の量子量にはいくつ かの種類がありますが、そのなかでもおそら く質量(ミリオンエレクトロボルトで表現) という量は、ほかの3つの量子量あるいは世 代とは根本的に別格の性質を持つものかもし れません  重力の性質を、重力子という介在ボーズ粒 子という表現におしこめたむりやりな表現で は、プランクの極微小基本距離単位の空間次 元とその重力子(の内側の量子量次元のひも ?)がほどけて一度接続をし質点がスライド することによって、親粒子の空間座標をスラ イドさせ  るもののようです  1−2 3→2+1的崩壊  有機化学における炭素の電子雲結合も、も ともと等位である3次元からの崩壊をしばし ば行います  これは、原子や電子雲がある特定軸の周り に回転するようなイメージを描くと理解しや すく、化学結合につかわれる電子雲は、その 極と赤道部分ですでに等位ではなくなります  これは、3次元剛体がたとえば 直線x=y=zの周りに回転すると理解する こともできます  これはSP2電子雲と呼ばれ、この電子雲 様式は炭素原子を、極方向にそろった平面的 な配置としてベンゼン核や石墨を形成する配 置です  ベンゼン核は重要な生理活性物質にも多く 含まれています  1−3 次元因数に対する謙虚のススメ  このようなことを把握峠における汗(エジ ソンの言うところのパースピレーション)の 苦味として考えると、(おそらく)むかしの 代数の人が一般論をなんでもかんでもn次元 拡張する、したがる欲望としての方向性には 個人的にはあまり豊かさを感じることはでき ません  一般空間次元を等比数列の和ぐらいにしか おもっていないのかもしれません  おそらく幾何学がその次元によっては綺麗 な体系を構築できないことがままあるのは、 その次元の数の性質がもつ、奇数や素数など の整数としての一種のいやらしさに大きく左 右されることが理由としておおきいからだと 私などは感じています  余談ですが、たとえば難問とされたフェル マの定理は、実は代数の問題ではありません  問題の提起は、実は高次元空間の構造体の 性質に関することで、それをほぼ充分に理解 することが出来なければ、その低次空間にお ける射影の特殊解をも厳密に解けたとはいえ ない、ということで、  その高次元空間の幾何学を構築するために 実は360年もの長きが必要だったというこ とにすぎません  その意味では人類が滅びなければ、否定の 可能性をも含め、いずれは解かれる問題でし た  自分の人生が残念ながら有限であることを 知っている、先人の大先輩たちの幾人かは、 このようなことを見据えて、自分の適正と力 量を客観的に分析した結果、あえてフェルマ の定理にじかにとりくまなかったひとも少な からずいたそうです  しかしながら、その定理を解くために必要 であった実は強力な武器は、そのような先人 達が実は礎として残してくれたものが多かっ たように、私などは雑学の塀越しに知ってい ます  学問とは苦いなあ、というのが率直な感想 でした  1−4 まえがきのまとめ  たかが、空間の次元、といっても、研究と して突き詰めていけばその背後には苦さまみ れの奥行きがあるものなのかもしれません  また奥行きのあるものはかならずしも数学 だけではもちろんかぎりませんが。  私は数学者ではありませんし、また一般的 に普通の人が生活を放棄してまで学問にじっ 魂することがかならずしも幸福なことだとは 想いませんが、  それでもこのような幾何学が興味深い体系 であることをこの項では3次元の幾何として あくまで初等の範囲で表現するものです  あくまで美術の一種としてながめてくださ る理解で、幸いと考えます  2011年 年末 miyama.拝 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  2 使用許認可条件  フリードキュメント・プログラム(添付実行 ファイル:オクタヘドロン)です  配布閲覧は自由です  3 免責  このドキュメントの内容により生じたあらゆ る不利益に対して筆者はなんらの責任をも負う ものではありません  4 動作機械条件(添付実行ファイル)  添付実行ファイルはその動作にあたりVisual Basic6.0のランタイムライブラリが必要です  工場出荷時WINDOWSXP以上のマシンでは、特 にライブラリを導入することなくクリックだけ で動作すると想われます  古いWINDWOSのマシンでは別途MSのサイト等 からランタイムを導入することが必要かもしれ ませんが、ごくまれに一部の古いプログラムが 動作しなくなることがありますので導入は自己 責任でお願いいたします  添付実行ファイルOctaHdrn.EXEは、3次平方 行列の理解に関する一教材です  その解説と使用方法は、本文中で解説します ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  5 本文 典型的な二種の一次変換に対して 2次元と3次元の挙動の違いについてのメモ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  5−1 2次元における一次変換の基本の行 列

図1                                      
                                          
 わたしたちは、数学の履修では、典型的な2
次元の一次変換について、線対称変換と点対称
変換を習います                            
 もちろんこれはより高次の空間である3次元
にその変換操作内容を発展的に投影されたとき、
その内容の細部はさらに枝葉のように複雑に発
展するのですが、                          
(これは逆に3次元のより複雑な演算を単純に
2次元に射影したものが2次元の変換法則とも
いえます)それはさておき、                
                                          
 2次元のこれらを一次変換の例としてまとめ
ると、                                    
                                          
 点対称変換の例:                        
 a 原点を中心にした点対称変換           
                                          
 線対称変換の例:                        
 b x軸を対称軸とした線対称変換         
 c y軸を対称軸とした線対称変換         
                                          
 d 直線y=xを対称軸として線対称変換   
                                          
 と、4つに分けられることがわかります    
                                          
 これらは2次元平面の一次変換として行列  
のかたちにまとめることができます          
                                          
 :行列の0成分は便宜上空白で表現します  
                                          
                                          
行列A 原点点対称                        
-1                                       
 -1                                      
                                          
行列B x軸対称:y値符号反転            
1                                       
 -1                                      
                                          
行列C y軸対称:x値符号反転            
-1                                       
 1                                      
                                          
行列D 直線y=x対称:x、y値入れ替え  
 1                                      
1                                       
                                          
 これらは、図1における移動された点とし  
て表現され、                              
                                          
 AからCはピンクの点、                  
 Dのみ赤い点として表現されています      
                                          
 また、一般に行列の積の演算では、実数演  
算においてふつうはなりたつ交換法則        
                                          
 a * b = b * a                     
                                          
 は成り立ちませんが、                    
                                          
 図を見てわかるように、これらはお互いの  
点移動変換がいくらでも任意にくりかえし行  
えますので(たとえば、元の点から点対称反  
対にある点にいたる道程は、長方形の経路で  
いえば、右回りでも左回りでも結果は同じ)  
 すくなくともこれら4つの点変換では、交  
換法則は成り立ちます                      
                                          
例                                        
                                          
1    -1  -1   1  -1         
 -1 *  1= 1*  -1= -1        
                                          
点aを経由してc 点bを経由してc            
                                          
 経路が異なってもcに至るので交換法則は   
成り立つ                                  
                                          
 この関係は3次元に拡張されても成り立ち  
ます                                      
                                          

図2                                      
                                          
 この場合図のピンクの線対称変換は、3次  
元では8つの象現区分面の鏡像面対称変換に  
拡張され、それぞれ鏡面鏡像としていくらで  
も映し返しができるからです                
 また交換法則も3種8組み合わせのそれと  
して3次元でもなりたちます                
                                          
 しかし、2次元の直線y=xに対する線対  
称変換は3次元では概念的に拡張されること  
になります                                
                                          
 これは次元が1増えて、直線              
                                          
x=y=z                                
                                          
 を対称軸とする変換になりますが、この3  
次元の変換の性質を代数的においかけてみる  
と、それはもはや線対称の変換ではないこと  
がわかります                              
                                          
 2次元におけるy=x対称変換は、行列    
                                          
 1                                      
1                                       
                                          
で表現され、これは行列積の演算によって    
                                          
 1 x y                              
1 *y=x                              
                                          
となりますが、相当3次元の演算は、2種に  
分かれ、                                  
                                          
  1 x z                            
1   y x                            
 1 *z=y   行列E                
                                          
 1  x y                            
  1 y z                            
1  *z=x   行列F                
                                          
となります                                
 この変換の重要な点は三つすべての要素が、
残らず新しいベクトル行列内の配位座に移る  
ことにあります                            
                                          
なお、単純に行列                          
                                          
 1                                      
1                                       
                                          
の3次元拡張であれば                      
                                          
  1                                    
 1                                     
1                                      
                                          
 でありそうな気がしますが、これは        
直線x=y=zに対する対称変換にはなりま  
せん                                      
 なぜなら、この行列をつかって点を変換す  
ると、                                    
                                          
  1 x z                            
 1  y y                            
1  *z=x                            
                                          
となり、y要素の値の位置が変化しません    
                                          
 これは3次元空間における面対称変換のひ  
とつに相当します                          
                                          

図3                                      
                                          
 y成分の値が不変ですから、              
 y軸に対して点が垂直移動、              
                                          
 xz成分がその値を交換しますから、      
 平面z=xに対しても点が垂直移動、      
 (つまり平面z=xに対して面対称移動)、
                                          
 これらは平面z=xがもともとy軸と垂直  
なので後者の条件は前者を含みます:逆はそ  
うではありません                          
                                          
 あるいは 直線y軸と直線x=y=zが含  
まれている平面に対して面対称、            
 ということができます                    
 この平面はもちろんz=xを意味します    
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−2 付録:x=y=zに対する線対称  
としての変換                              
                                          
 またこの変換とは別に、x=y=zに対す  
る線対称変換の行列が知りたければ、幾何代  
数で求めることも出来ます                  
                                          
 以下証明                                
                                          

図4                                      
                                          
 ベクトルを使用して推論します            
                                          
 任意の点Pを示す座標とベクトルを        
                                          
 →P=→x,y,z 水色                     
                                          
 とおき、もとめるベクトルを              
                                          
 →Pd=→xd,yd,zd 緑色                
                                          
 とおくと、このふたつが直線x=y=zに  
ついて線対称であればよいので、つまり、こ  
の直線の方向ベクトル(この場合長さは任意)
                                          
 ・→U=→a,b,c 黄色に対して、これら   
ピンクのふたつのベクトルは直角に交わり    
                                          
 ・水色緑黄色三つのベクトルはともに同一  
平面にあり、                              
                                          
また                                      
 ・黄色ふたつのベクトルはその長さがひと  
しい                                      
                                          
 ここで、ベクトル→U黄色を、            
 もとになるまた求めるべきベクトル:緑色  
の余弦の長さと定めると、                  
                                          
 これから、これら三つのベクトルは、その  
和ベクトルで構成される、菱形(その中央に  
直交成分を含むので、平行四辺形でなく菱形)
を形成することになります                  
                                          
 ここで、ベクトル→U黄色は、            
直線x=y=zの内部にありますから、当然  
                                          
 a=b=c                                   
                                          
 がなりたち、これを媒介変数表示で=kと  
おくと、当然                              
                                          
 →U=k,k,k                             
                                          
 となります                              
                                          
 ここで、→Pと→Uがつくる直角三角形の  
正弦成分を                                
                                          
 →V=m,n,l ピンク                      
                                          
 とおくと、求めるべき→Pd緑色 との関  
係は以下のように、整理されます            
                                          
 →Pd=→P +2*(→V)             
                                          
 ここで                                  
                                          
 →V =→U −(→P)                
 よって                                  
                                          
 →Pd=→P − 2*(→U)−2*(→P)
                                          
    =2*(→U)−(→P)          
                                          
 これは、方向ベクトル→U黄色 を二倍し  
てからのち、                              
 →P水色 の逆路で、点Pdに戻る菱形の  
経路の定義にも一致します                  
                                          
 この成分は                              
                                          
 →Pd=2k-x,2k-y,2k-z                  
                                          
 となります                              
                                          
 ここで、定数kを求める必要があります    
                                          
 三つのベクトルがなす直角三角形でピタゴ  
ラスの定理を用います                      
 内積を用いても良いのですが自分の中で内  
積の概念がまだ未整理なので、ここでは使い  
ません                                    
                                          
 ここで                                  
                                          
 →V=→U − →P                    
                                          
   =k-x,k-y,k-z                       
                                          
 ですから                                
                                          
 |→P|^2=|→U|^2+|→V|^2
                                          
 x^2+y^2+z^2= 3k^2+                     
        3k^2-2k(x+y+z)+x^2+y^2+z^2
                                          
 よって                                  
                                          
 6k^2=2k(x+y+z)                          
                                          
 →Uは0ベクトルではありませんから、k not=0、
                                          
よって                                    
                                          
  x+y+z                                 
 k=------                                
   3                                   
                                          
これを代入すると、                        
                                          
 →Pdの成分、すなわち点Pdの座標は、  
                                          
  2(x+y+z)                              
  --------(1,1,1)-(x,y,z)               
  3                                     
                                          
 と表現されます                          
                                          
 証明終わり                              
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−3 空間内における基本直線に対する  
対称変換についての一般化                  
                                          
 ところで、概念的に、行列EとFは3次元  
空間での線対称変換を意味しませんが、しか  
しやはりz=y=xに対する有意の変換演算  
です                                      
 下の図をご覧ください                    
                                          

図5                                      
                                          
 これは3次元空間を斜のほうから俯瞰した  
図ですが、行列EとFは、中央を縦にはしる  
黄色い基本直線x=y=zを軸とするある変  
換を意味します                            
                                          
 赤い円環は、基本直線を中心としかつその  
属する平面が黄色い直線と垂直に交わる性質  
をもった円環であり、これは、空間内の任意  
の点Pを選んだとき、すぐさま定義される所  
属の円環です                              
 図では、120度=2/3πラジアンごと   
に丸い点がプロットされていますが、このう  
ちひとつがその、任意に空間に打たれた点P  
に当たります                              
                                          
 実は、行列EとFは、その点Pをこの赤い  
円環上で、黄色い直線を中心に、正と負の方  
向にそれぞれ120度回転変換する変換行列  
を意味します                              
                                          
 これは実は概念上はそんなに突飛なそれで  
はなく、この行列がxyz座標成分を、それ  
ぞれに対等にその要素座を循環交換するその  
性質から素直に帰納される性質なのです      
                                          

図1再録                                  
                                          
(実は平面2次元での直線y=xに対する赤  
点x、yにおける対称性は、たしかに一見線  
対称の変換に見えますが、これは3次元とい  
うより高次空間から把握のアプローチを行う  
と、それが実は、180度=πラジアン分の  
y=x直線を中心に介した回転変換であると  
みなすことも可能であることに気付かされま  
す)                                      
                                          
 EとFをそれぞれ自乗したり互いに相互に  
掛け合わせたりして得られる代数的な性質は、
この赤い円環上における回転変換の性質とし  
て表現されます                            
 つまり行列EとFにおける積算群は、この  
赤い円環上の世界から外に出ることが出来ま  
せん。EとFは、この円環のなかをいつまで  
もぐるぐると循環をしつづけます            
                                          
E行列の自乗はFに一致し、                
                                          
  1   1  1                     
1   1     1                    
 1 * 1 =1                        
                                          
F行列の自乗もEに一致します              
                                          
 1   1    1                    
  1   1 1                      
1  *1  = 1                      
                                          
                                          
 相互の積をとってみることについて、単位  
元をも付記した表現において以下の結果を示  
します                                    
                                          
1       1    1  1      
 1    1       1  1     
  1 *  1  * 1  =  1  
                                          
 1      1   1   1      
  1   1      1   1     
1   *  1  *   1=  1    
                                          
 つまり一般行列の性質とはことなり、この  
ふたつ同士は乗法において相互に可換です    
                                          
 この代数的な性質を三つにまとめると      
                                          
・単位元を含んで相互に一対のペアとして存  
在し、                                    
                                          
・それぞれの自乗が相手に変貌し、          
・(単位元を含んだ)3要素積算が常に単位  
元に収束しなおかつそれは可換の性質をしめ  
す                                        
                                          
(此処では3*3正方行列の単位元をE33  
のような表現であらわします)              
                                          
 じつはこのような挙動をしめす小体系は高  
校履修の範囲でも学びます                  
 それは複素平面における三乗根オメガωで  
す                                        
                                          

図6                                      
                                          
 三乗根とは、定数1に対しての解を複素数  
でも解釈しなおした結果、明らかである解    
「1」以外にも複素数としてみいだされたふ  
たつの解                                  
                                          
 ω1 と ω2 を示すものです          
                                          
 これは、虚数単位iと匹敵するような興味  
深い性質を持ちますが、これはその虚数単位  
をつかって、複素数として表現されるためか、
教科学習ではあまり力点をおいて解説されま  
せん                                      
                                          
(私感ですが、数学が足きり試験として用い  
られる過去数十年の風潮では、どんなに数学  
的に興味深くとも、応用問題になりにくい概  
念は結果的に受験数学のカリキュラムからは  
軽視されがちなようです                    
 むかしよりははるかにデリケートな悪く言  
えばもやし、良く言えばガラス細工の少年が、
その概念での把握もままならないうちに、不  
毛な応用問題の応酬にさらされるのは、ある  
意味その少年の人生全体から長期的に見た場  
合は、おそらく不幸なことかもしれません    
 すくなくとも数学履修にかぎっては、全入  
時代であるからこそ、受験教育の不毛から開  
放されて、数学の裾野の楽しさを遊びとして  
触れさせることが出来る可能性が存在してい  
ることは、あるいは工夫としての教育の義務  
なのかもしれません:余談)                
                                          
 興味深いのはその乗法が、赤円環行列同様  
1をふくむ三乗根内部で、群をなすことで、  
                                          
・自乗は相手に展開                        
 ω1^2=ω2                          
 ω2^2=ω1                          
                                          
・3要素積算は単位元に収束                
 1*ω1*ω2=1                      
                                          
 という同様な関係があります              
(これは行列ではないのでもちろん交換法則  
に関して可換です)                        
                                          
 ここで、オメガの複素数表記は            
             _               
        -1 +- i/3               
ω1,ω2 = -----------               
           2                   
 であり虚数部分の符号がことなるだけです  
 複素数の積は、ド・モアーブルの定理によ  
り、複素平面上の回転変換として記述でき、  
                                          
ω1は基準点1,0からの正120度の回転、
ω2は基準点1,0からの負120度の回転  
                                          
 として幾何的に表現されます              
                                          
 ωをふくむ三乗根は行列ではありませんか  
ら乗法の交換法則について可換で、素直に演  
算が出来ます                              
                                          
 赤円環行列EとF同様、三乗根ωも、この  
複素平面上の円環上から乗法演算上では外に  
出ることはできません                      
                                          
 なお、この三乗根の複素平面環も、三次元  
空間内の自らの鏡像に対しての非同一性をも  
ち、                                      
 これをたとえば実数成分を正負鏡像折り返  
しした以下の関係図では、                  
                                          

図7                                      
                                          
 この図のなかのこれらは、乗法において前  
例図のような群になりません                
 たとえば−ω2を自乗するとこれはω1に  
なり、−ω1にはなりません                
 これは、おそらく1の解根が、奇数根であ  
ることに起因しているものだと想われます    
 ド・モアーブルの定理としては、この性質  
を無理に押し通そうとすると、解が六乗根で  
ある必要があります                        
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−4 赤円環上行列群のそのほかの行列  
                                          
 3次元の空間の座標要素交換では、ほかに  
もいくつかの行列が循環赤色環上に存在しま  
す                                        
                                          
 前述の行列EとFは、xyz要素を、それ  
ぞれまったく等価値に循環交換する行列でし  
たが、あるひとつの特定の座標要素のみを固  
定しのこりのふたつを交換するかたちの変換  
行列も存在します                          
 これはxyzそれぞれが等価値ですから、  
それぞれを固定要素としたときに、都合三つ  
の行列が考えられます                      
                                          
xを固定してyとzを交換                  
1                                      
  1                                    
 1  行列G                            
                                          
yを固定してzとxを交換                  
  1                                    
 1                                     
1   行列H                            
                                          
zを固定してxとyを交換                  
 1                                     
1                                      
  1 行列I                            
                                          
 これらはそれぞれ点の移動変換行列として  
                                          
 Gは平面y=zに対して面対称            
                                          
 Hは平面z=xに対して面対称            
                                          
 Iは平面x=yに対して面対称            
                                          
 であります、                            
                                          
 またこれら3つの平面は直線x=y=z    
をともに平等な立場で含みますから、これら  
のすべての変換はこの直線の法線ベクトル    
1,1,1にたいして(直線にたいしてではな  
く)垂直な変換であることになります        
 この事情を表現したのが図8です          
                                          

図8                                      
                                          
 これらの行列は、x、y、z成分の点ベク  
トル内部の位置を変更するだけですから、そ  
の点の原点からの距離はつねにかわらず、よ  
って点は原点を中心とする初期値点によって  
決定される任意の半径の球(白色の輪郭)の  
表面からはなれません                      
                                          
 またもうひとつの条件として、GHIの各  
変換ともそれぞれの面対称条件が直線        
x=y=zの法線ベクトルと垂直な変換であ  
ることを要請しますから、                  
                                          
 この変換は初期点が属しなおかつ直線      
x=y=zと垂直な平面x+y+z=d:d  
は初期値点の座標によりきまる任意値        
 のなかからもそとにでることはありません  
                                          
 このふたつの条件をかんがみますと、これ  
ら面対称鏡像変換行列もなんのことはない、  
120度回転変換がめぐる図6の赤円上に移  
動としておちつくことになります            
                                          
 平面の内部から外に出ないことの証明は、  
また別の観点から考えると、                
 鏡像変換行列は初期点の、xyz成分の交  
換だけですから、係数が同じ一次式である初  
期点属す平面の数値解はつねにこの方程式を  
満たすことで解決することもできるでしょう  
                                          
 図6、8の赤色円を、x=y=z軸の正値  
方向からみおろした図が9です              
                                        

図9                                      
                                          
 ここで黄色の小図形は、積算演算単位元を  
あらわし、                                
                                          
1                                      
 1                                     
  1                                    
                                          
です                                      
                                          
 これは、任意の初期点そものものをあらわ  
す行列としての意味をももちます            
                                          
・120度ステッピング回転行列            
:レンガ色                                
                                          
 この図では、行列EとFは、レンガ色のふ  
たつの三角形として表現されています        
 再解説になりますがレンガ色の行列は、も  
ともとの点(x、y、z)                  
 の要素を、循環的に交換することにより、  
xyz軸から三相交流の磁場を受けるように  
順次任意の初期点を直線x=y=zを中心に  
120度ずつ回転させていきます            
                                          
・要素性対称変換:水色                    
                                          
 直前前述の行列G、H、Iはこの図では水色
の図形として表現されています              
                                          
 どうしても人間の空間認識はその出発として
映像として2次元画像に頼るので、訓練なくし
てはどうしても空間の認識に困難がついてまわ
るのはしかたがないことかもしれませんが、  
 わかりにくい空間概念を乗り越え得る場合、
                                          
 水色の変換は、たとえばx軸と直線        
x=y=zを含む、平面に対して面対称な変  
換であることが理解できます                
                                          

図10                                    
                                          
 この場合はx成分は固定ですから、変換行  
列は                                      
                                          
1                                      
  1                                    
 1  で、行列Hに相当します            
                                          
 言い換えれば、水色の変換は、直線        
x=y=zをふくむ図10のピンクの3平面に
それぞれ面対称変換で写像される変換である  
ことを意味します                          
                                          
                                          

 図9再録                                 
                                          
 水色の行列は、任意の点である始点(x軸  
横の黄色の棒行列)から、図10の面対称平面
を介して、図9の青色の鏡像変換として、都  
合三つの鏡像に写されます                  
 図9の鳥瞰方向では、緑のxyz軸とピン  
クの対称面が合一してしまいますので、緑の  
軸に対して面対称であるような変換の経路を  
たどります                                
                                          
 なお、水色の行列はたしかに鏡像変換です  
が、鏡同士が120度の角度で交わっていま  
すので、任意の水色の行列による青色経路の  
鏡像変換を二回くりかえすと、それは120  
度の回転変換に相当することになります      
                                          

図11                                    
                                          
 図11では、二回目の鏡像変換をピンクで表
現しています                              
                                          
 これらは代数的にも表現でき、複数の経路  
がそれぞれ3経路ごと2組にわかれ、        
                                          
  1   1  1  1     1    
1    1  1     1  1     
 1 =1  *  1= 1 *1      
                                          
レンガ ピンク 青色  ピンク 青色      
                                          
 1   1    1   1 1      
  1 1    1   1    1    
1  =  1*1  =1  * 1     
                                          
レンガ ピンク 青色  ピンク 青色      
                                          
が成り立ちます                            
                                          
 この水色の記号で表現されている変換は、  
鏡像変換なので、この矢印は厳密にはベクト  
ルではありません                          
                                          
 図11を俯瞰するときの留意点は、        
                                          
「水色行列の変換は鏡像変換なので、」      
                                          
 ここで重要なことはその変換が示す矢印の  
角度としてのむきだけで、                  
                                          
 ・その+−符号としてのむきや、          
 ・矢印の始点の固有の位置や              
 ・その経路としての長さは                
                                          
 この変換に関係しないことです            
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−5 3次元の象現変換                
                                          
 以上述べた赤色積算円は、ここではxyz  
の値がすべて正である、3次元でのひとつの  
象現での事象でした                        
                                          
 平面のxy幾何で象現が4つあるように、  
3次元でももちろん象現が複数あり、それは  
8種にわたります                          
                                          
 象現変換は要素符号の変換になります      
                                          
 概念をわかりやすくするために、八面体の  
表面で考えます                            
 xyzの値がすべて正である象現の中の始  
点基本点をもとにそれをいわば写像としての  
こりの7つの象現にうつす場合は、          
 それぞれの象現固有の写像変換行列を用い  
ます                                      
                                          
 これは、八面体の例でわかるように、任意  
の平面(xy、yz、zx平面のいずれか)  
に対する鏡像写像に相当します              
                                          
 図12では、yz平面に対する面対称鏡像変
換の例を表示しています                    
                                          

図12                                    
                                          
 xyzがともに正である象現から、x成分  
の符号のみを負に逆転させた写像でこの変換  
は成り立っています                        
 ここではもとの象現をピンク、うつされた  
写像の証言を水色で表現しています          
                                          
 この変換も行列で表現でき、              
                                          
-1                                      
 1                                     
  1 行列J                            
                                          
となります                                
                                          
 なお当然ですが、空間の象現は8つあるの  
で、これらの変換行列も8つのファミリーを  
なし、それぞれがもとの符号xyz=+++  
の象現から自分の管轄の象現に点要素を写像  
移動させます                              
                                          
 またもちろん、符号xyz=+++象現自  
身に写像する変換は単位元を指し、          
 それはもちろん                          
                                          
1                                      
 1                                     
  1 E33です                        
                                          
 ここで重要なことは、空間の要素軸は      
xyzで3種ですから、基礎符号の負値化に  
よる変換はまずxyzそれぞれで、1つづつ、
計3つあることになります                  
                                          
x軸値を負値化                            
                                          
-1                                      
 1                                     
  1 行列J                            
 yz(つまりx=0)平面に対して面対称  
                                          
y軸値を負値化                            
                                          
1                                      
 -1                                     
  1 行列K                            
 zx(つまりy=0)平面に対して面対称  
                                          
z軸値を負値化                            
                                          
1                                      
 1                                     
  -1 行列L                            
 xy(つまりz=0)平面に対して面対称  
                                          
 ここまででは、自己変換分の単位元変換を  
含め4象現分の変換に過ぎず、のこりの4象  
現の変換を表現していません                
                                          
 実は残りの象現への変換はさらに符号鏡像  
変換をくりかえして行われます              
                                          
 たとえば、くみあわせで、2回鏡像変換と  
して                                      
                                          
-1     1     -1              
 -1     -1     1             
  1行列M  -1行列N  -1行列O      
                                          
3回鏡像変換として                        
-1                                      
 -1                                     
  -1行列P                              
                                          
を得ることが出来ます                      
 Pは便宜的に略号をつけましたがもちろん  
単位元の逆 −E33です                  
                                          
 ここまでは概念としてそんなにむずかしい  
ことはないのですが、実は幾何、特に空間幾  
何には、鏡像変換にともなう偶奇性のやかま  
しさがあります                            
 貧乏くさい話題で恐縮ですが、近所で千円  
バーバーにおされて、なじみの理容院が廃業  
してしまいました                          
 かといって素人の混じる千円バーバーで刈  
るよりは、自分で前髪くらい切ったほうが納  
得いくということで、鏡台のまえにすわった  
人はこの不況の折決して少なくないと確信    
(?)していますが、                      
 いざやってみると鏡の中は想うように櫛を  
あやつることが出来ません                  
 これはもちろん、鏡の中が左右が逆になっ  
た空間変換を示しているためです            
                                          
 装置の工夫でこれを何とかしようとすると、
直角に近い配置で合わせ鏡をするしかありま  
せん                                      
 空間反転を二回繰り返すと、それは現実の  
像とおなじむきになります                  
                                          
 この事情を、xy2次元平面の例であらわ  
したものが図13です                      
                                          

図13                                    
                                          
 この図において、ほんとうはお人形さんで  
も鏡像で書き込もうかなとおもっていたので  
すが、概略図ではわかりにくくなるので、物  
理学でよく使われる回転のむきの例を使用し  
ました                                    
 この概念では白色のついたてが鏡面に当た  
ります                                    
 8象現の空間幾何でもこの事情は同じで、  
たとえば図12の鏡像変換                  
                                          

図12再録                                
                                          
 では、もとのピンクにえががれた絵と水色  
に写された像のあいだには互いに左右反転の  
関係があります(もちろん前述の行列KLの  
変換後の像も条件が等価値ですから、同じく  
反転像になります)                        
 一方この関係を二回繰り返して得られる前  
述の行列MNOでは、もとのピンクの        
符号xyz=+++象現と同じむきになりま  
す                                        
                                          
 この関係を図示したのが以下の図14と    
15です                                  
                                          
 14は、もとの+++象現とおなじ像のむ  
きの世界、一方15は像が反転している世界  
をあらわします                            
                                          

図14                                    

図15                                    
                                          
 これは、像だけではなく、空間の性質にも  
関わってくる事象です                      
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−5−1 ハミルトンの四元数の基本幾  
何との関連                                
                                          
 たとえばハミルトンの四元数は、符号の取  
り方で空間8象現とおなじく8つの組み合わ  
せを生じます                              
                                          
  i  j  k comb a1                 
  i −j −k    a2                 
 −i  j −k    a3                 
 −i −j  k    a4                 
                                          
 −i −j −k comb b1                 
 −i  j  k    b2                 
  i −j  k    b3                 
  i  j −k    b4                 
                                          
 四元数の定義により、それぞれの組み合わ  
せでも各要素の二乗は常に−1ですが、各要  
素間での積算群が実数と違って非可換である  
四元数は、いっぱん、                      
                                          
 ijk=-1 しかし                         
 kji=+1                                 
                                          
 というふうに積算にスピンのような「むき」
があります                                
                                          
 符号は実数としての−1ですからこれを操  
作して、組み合わせb2の例として            
                                          
(-i)jk=+1                                
kj(-i)=-1                                
                                          
と導くこともできます                      
                                          
 この組み合わせでは、みかけじょう積算の  
むきが逆転していることになります          
                                          
 aグループとbグループでは、グループ同士  
では積算のむきはおなじですが、グループa   
とbとでは積算のむきはちがいます           
                                          
 これを数直線としてijkをとり、符号のむ   
きを区別して図として表現すると次のように  
なります                                  
                                          

図16                                    
                                          
 また、直接に四元数とこの空間変換行列は  
関係がありませんが、8象現の鏡像のむきの  
関係は互いに一致しますので、それをおなじ  
俯瞰で当てはめて表現してみました(図17)

図17                                    
                                          
 単位元E33や、その骨格に定数を当ては  
めた行列に関しては、そう特殊な入り組んだ  
構造演算的な挙動を示さないため、これまで  
筆者はあまり関心を払ってきませんでしたが、
この項の後のほうの演算で、どうも特殊な重  
要な代数の演算をになう要素であることに気  
がつきました                              
                                          
 表記することが必要かもしれないとおもい、
ここに記します                            
                                          
 象現写像行列MNOは                    
                                          
-1  1  -1                            
 -1  -1  1                         
  1  -1  -1                        
                                          
 ですが、これは実は積算で群をなすことが  
わかります                                
                                          
・自乗は単位元E33に一致し、            
・任意の一組の積は、他の残りに一致します  
                                          
 つまり、                                
                                          
 M^2=N^2=O^2 =E33              
                                          
 M*N = O                            
 N*O = M                            
 O*M = N                            
                                          
です                                      
                                          
 挙動が四元数的です                      
                                          
 これを四元数そっくりの挙動に加工するこ  
とも出来ることは出来ます                  
                                          
 これらは要素同士が対等ですから、処理も  
対等になさなければ代数的に対等な処理には  
なりません                                
                                          
 あたらしい行列をギリシア文字で表すとそ  
れは、                                    
                                          
 μ^2=ν^2=ο^2= −E33 ・・a
                                          
であり、                                  
                                          
 μ*ν=−ο                            
 ν*ο=−μ                            
 ο*μ=−ν  ・・b                   
                                          
と成り立たなくてはなりませんから          
                                          
 μ=−M                                
 ν=−N                                
 ο=−O                                
                                          
 では成立せず、                          
                                          
 また、−のかわりに虚数単位iを使っても   
駄目なようです                            
                                          
 結局、この試行では四元数そのものをこの  
行列構造に溶かし込む試行こそがもっとも良  
い結果を生みました                        
                                          
 つまり                                  
                                          
 μ=−iM                               
 ν=−jN                               
 ο=−kO                               
                                          
 とすると、条件aもbも満たすことが出来ま  
す                                        
 このくみあわせは、ijkともに等価ですか   
ら、この例を含めて組み合わせは全部で3つ  
あります                                  
                                          
 自乗負性も、逆積非可換性もともに溶かし  
込んだ四元数由来の性質として表面にあらわ  
れることができます                        
                                          
 逆に考えて、これらMNOこそは、一見四  
元数のようにみえますが、これらは四元数を  
そのまま溶媒としてとかしこむことができる  
と言う意味では、四元数というよりはこの行  
列世界での単位元に近い存在ではないかとも  
考えることが出来るかもしれません          
                                          
 いいかえれば、四元数から虚数要素が揮発  
したようなものが、この空間象現変換行列と  
いうことがいえるかもしれません            
                                          
 これはなにか、抽象論のなかで四次元原始  
超対称性がやぶれて、時間と空間がわかれた  
とき、ホーキング氏の解釈にあるように、空  
間から見て時間の軸がつねに虚数としてあつ  
かわれることを連想させます                
                                          
 なお、象現行列は、一般の行列に対しては  
非可換ですが、象現行列同士では可換で、こ  
の部分は四元数とはことなるところです      
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−4−2 付録:44行列や22行列に  
おける虚数と複素数                        
                                          
 これは約20年前の自分の筆算による公理  
の再発見でした                            
 複素数のド・モアーブルの定理と、xy平  
面の一次変換は、代数として同一のものであ  
ることに個人的に気がつき、次の式がなりた  
つことを知りました                        
                                          
        0 -1                    
虚数単位i ≡                            
        1 0                    
                                          
 ここでまんなかの記号は合同記号です      
                                          
 これを用いると、複素数や四元数を行列で  
扱うことが出来ます                        
                                          
 四元数は、構造の微妙にことなる二重虚数  
と表現できますから、                      
                                          
  0 -1   0 i   i 0        
i≡    j≡    k≡           
  +1 0   i 0   0 -i        
                                          
 と表現でき:これは符号上四つある組み合  
わせのひとつです                          
comb a1-4参照、                          
                                          
これは4*4形式に展開すると、            
                                          
順にijkとして、                        
                                          
00-10                                  
000-1                                  
+1000                                  
0+100                                  
                                          
000-1                                  
00+10                                  
0-100                                  
+1000                                  
                                          
0-100                                  
+1000                                  
000+1                                  
00-10                                  
                                          
 とかきかえることもできます              
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−5−2 発展                        
                                          
 20年前の研究なので、記憶がおぼろげだ  
ったのですが、部分的にいろいろ思い出しま  
した                                      
 この例は実は四元数4*4表記の一面でし  
かありません                              
 前述のみちびきの例は、準基本骨格にモジ  
ュールとしての2*2i虚数骨格をのせた帰  
結でした                                  
                                          
 これは逆に、基本4*4i虚数骨格に、準  
基本骨格をのせてことなる形式の四元数挙動  
4*4行列を導くことも出来ます            
                                          
 もともとこの試行は、準積算環行列        
                                          
   -1    1   1               
ι=1  λ=1  κ= -1              
                                          
 から出発したものでした                  
                                          
 当時の自分は、イオタが、実は行列として  
虚数性を持つことはっ知りませんでした      
                                          
 これらは、                              
                                          
ι*λ=−κ                              
λ*κ=+ι                              
κ*ι=−λ                              
                                          
 であり、また                            
                                          
ι^2=−E22                          
λ^2=+E22                          
κ^2=+E22                          
                                          
 という性質をしめします                  
                                          
 これらをながめていて、単純筆算的に      
λとκに、虚数単位を繰り込めば演算がうま  
くいくことに気がつきました                
                                          
で、                                      
                                          
  ι* i*λ= −i*κ              
i*λ* i*κ= −  ι              
i*κ*   ι= −i*λ              
                                          
 となります                              
 もちろん自乗の性質は虚数が繰り込まれた  
ことによってすべて負値となり、また三積も  
四元数的な循環非可換性を示します          
                                          
 前述の得られた4*4次の行列はλからκ  
までの骨格に虚数単位2*2を載せたもので  
した                                      
                                          
     022 −E22                    
I44a= E22  022                    
                                          
ーーーーーーーーーー                      
λとκ骨格に乗せる                        
                                          
     022  I22                    
J44a= I22  022                    
                                          
     I22  022                    
K44a= 022 −I22                    
                                          
ここで                                    
                                          
  00                                  
022=00                                  
                                          
  10                                  
E22=01                                  
                                          
  0-1                                  
I22=+10                                  
                                          
です                                      
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
 逆に虚数性骨格にこれらλとκをのせても  
なりたつことに気がつきます                
                                          
     I22  022                    
I44b= 022  I22                    
                                          
ーーーーーーーーーー                      
虚数骨格に乗せる                          
                                          
     022 −λ22                    
J44b= λ22  022                    
                                          
     022 −κ22                    
K44b= κ22  022                    
                                          
もちろん                                  
                                          
  01                                  
λ=10                                  
                                          
  10                                  
κ=0-1                                  
                                          
です                                      
                                          
 この条件で、あたらしい44行列を表現す  
ると、                                    
                                          
0-100                                  
+1000                                  
000-1                                  
00+10                                  
                                          
000-1                                  
00-10                                  
0+100                                  
+1000                                  
                                          
00-10                                  
000+1                                  
+1000                                  
0-100                                  
                                          
 となります                              
                                          
 これらも、もちろん四元数としてのの演算  
則を満たします                            
                                          
 また、これらふたつの循環群のくみあわせ  
はE44 4*4次元単位元を一方の極とする   
9つの行列からなる複合的な可換群を形成し  
ますが、煩雑になるのでそれについての追跡  
はここでは割愛します                      
                                          
 なお、(((κ)))あるいは@κは、          
「かっぱ巻き」と呼びます(却下!)        
                                          
 @AB ←カリフォルニア巻き              
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 この構造は、数の内側をほじくっていた約  
20年前のあそびであって、なんら具体的な  
役に立つものではありません                
                                          
 この概念を使えば、上記のμ以降の行列を  
繰り込み表現で書き換えることもできます    
                                          
 ここで                                  
                                          
  -i                                  
μ= -i                                 
    +i                                
  +j                                  
ν= -j                                 
    -j                                
  -k                                  
ο= +k                                 
    -k                                
ですから                                  
                                          
μ=                                      
                                          
00+10 0000 0000              
000+1 0000 0000              
-1000 0000 0000              
0-100 0000 0000              
                            
0000 00+10 0000              
0000 000+1 0000              
0000 -1000 0000              
0000 0-100 0000              
                            
0000 0000 00-10              
0000 0000 000-1              
0000 0000 +1000              
0000 0000 0+100              
                            
ν=                                      
                                          
000-1 0000 0000              
00+10 0000 0000              
0-100 0000 0000              
+1000 0000 0000              
                            
0000 000+1 0000              
0000 00-10 0000              
0000 0+100 0000              
0000 -1000 0000              
                            
0000 0000 000+1              
0000 0000 00-10              
0000 0000 0+100              
0000 0000 -1000              
                            
ο=                                      
                                          
0+100 0000 0000              
-1000 0000 0000              
000-1 0000 0000              
00+10 0000 0000              
                            
0000 0-100 0000              
0000 +1000 0000              
0000 000+1 0000              
0000 00-10 0000              
                            
0000 0000 0+100              
0000 0000 -1000              
0000 0000 000-1              
0000 0000 00+10              
                                          
 もちろんこれも組み合わせのひとつでしか  
ありません                                
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−6 33形式変換行列表示プログラム、
オクタへドロンOctaHdrn.EXEの使用方法      
                                          
 拙作のプログラムはここまでの概念を把握  
できた場合を想定して作られた電子的教材で  
す                                        
                                          
 ひとむかし前、コンピュータがなかったこ  
ろは三次元の曲面などを表現するにあたり、  
木彫や石膏の模型を使用していたものです    
 筆者は、この空間行列の演算に凝っていた  
ころはいまから15年ほどまえ(WINDOWSは   
まだ95が出たばかりでPCはまだまだ高価な  
機械でした)でしたので、これらの関係を整  
理するにあたり、厚紙で八面体をつくったり  
していたものでした                        
                                          
 今回、個人的にプログラミングの経験も積  
むことができたようなので、その模型を電子  
的につくることにしました                  
                                          
 プログラムでは行列を内部メモリーで配列  
としての格納が出来るので、幾何変換だけで  
はなく、その点がどの変換行列を指し示して  
いるか画面上で自動で検索できます          
                                          
 OctaHdrn.EXEファイルをクリックすると次  
の操作画面が表示されます                  
                                          
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー_□X 
                     
□□□               上 ズ
□□□               回 |
□□□  画像表示ウィンドウ    転 ム
変換行列              ボ ス
表示部分              タ ラ
                  ン イ
xyz軸点             下 ド
表示許可              回 バ
チェック              転 |
ボックス              ボ  
                  タ  
□ □               ン  
□ □                  
□ □  左回転ボタン右回転ボタン原点線分
                 描画許可
↑任意点値入力窓         チェック
  ↑移動点値表示窓       ボックス
                                          
入力点値反映ボタン 終了ボタン            
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 操作は特に難しいことはありません        
                                          
 任意点値の入力が出来ますが、入力しない  
と初期値点、x、y、z=2、5、1の点を  
描画します                                
                                          
 値2、5、1は、特に他意のある特別な数  
ではありません                            
 あいことなるまた図が適当にみやすくなる  
整数として選択したにすぎません            
 普通は、別の値を強いて入力する必要はな  
いでしょう                                
 画面が表示されない場合は黒画面をクリッ  
クしてください                            
                                          
 上下左右のボタンを押すと、行列群(正確  
には行列群によって元の点2、5、1から移  
動された、点の群れ)が、俯瞰のために微小  
回転します                                
 回転のステップは360度単位で5度区切  
りです                                    
                                          
 xyz軸点表示許可チェック              
                                          
 xyz軸上の点6個(白色)を表示するか  
どうかを決めます                          
 初期値2、5、1の場合は、点の位置は同  
一ではありません                          
                                          
 これは行列                              
                                          
1                                      
 0                                     
  0                                    
                                          
 等によって、元の点の座標値を変更せずに  
表示しているためです                      
                                          
 原点線分表示許可チェック                
                                          
 場合によっては煩雑な原点集中中央線を省  
略します                                  
                                          
 ※画面は軽い単純遠近法で描かれています  
                                          
 赤丸六つが属する象現が符号xyz=+++
面ですが、初期値では画面のむこうがわに    
位置しています                            
                                          
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 作者の目的都合としては、このプログラム  
は計算機の機能を使って、八面体上の行列変  
換点が具体的にどの値の行列によって変換さ  
れたのかをメモリー追跡することのためでし  
た                                        
 このような機能は、厚紙八面体ではできま  
せん                                      
                                          
 このプログラムは良くも悪くもそれだけの  
プログラムです                            
 ソースファイルを付けておきますので、興  
味のあるひとは論理を追いかけてみてくださ  
い                                        
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7 象現変換後の行列が群をなすかど  
うかについて                              
                                          
 これは、対象行列が多すぎて検証が煩雑な  
ため、個人的にはまだはっきりとした結論は  
出ていません                              
 難問、というのではありません            
                                          
 詳しく追いかけていくとこのパッケージを  
上梓するのが遅れるのでこの検証は今回は詳  
細では割愛します                          
                                          
 感触の予測を先に言うと、図9における    
                                          

図9再録                                  
                                          
 プラスマイナス120度分回転変換をつか  
さどる行列EとF:レンガ色                
                                          
  1      1                  
1         1                 
 1 行列E  1  行列F              
                                          
 を象現写像行列によってそれぞれ八面体面  
世界に写した行列は、そこで独自の直線の周  
りに積算回転群をなすようです(今回は、面  
対称変換をしめす青経路水色ファミリーの行  
列に関しては手間的に考えません)          
                                          
 この場合は、新しい象現世界での回転軸は  
思考の出発点となった、符号xyz=+++  
世界における                              
 直線x=y=zではなくて、              
                                          
 この直線をふくむ4つの直線、            
                                          
 +−x = +−y = +−z          
                                          
 の周りに積算循環すると考えられます      
                                          
(組み合わせ上、この式は8種ですが、符号  
の全体の性質により、4種になります        
 たとえば                                
                                          
  x= y= z と                    
 −x=−y=−z は                    
                                          
 おなじものです                          
                                          

図18                                    
                                          
 ただし、この積算循環については、この直  
線をどちらのむきからみるかということが実  
は重要で、                                
                                          
 おなじ直線はその前後でふたつの八面体表  
面平面の中心をつらぬいていますが、それら  
平面はおなじ直線をちょうど逆方向から見て  
います                                    
 おなじむきをおたがいに逆からみれば、そ  
の回転はつねにおたがいに逆にみえます      
 おそらく、八面体のたがいにむかいあわせ  
の象現が積算演算のむきがつねに逆なのは、  
このようにおなじものをそれぞれ逆からみて  
いるからなのかもしれません                
                                          
 以下はことなる象現への写像変換後、12  
0度回転変換行列がそのあたらしい象現でも  
積算循環群をなすかどうかの検証ですが、    
 これは厳密ではないにせよ、それが三乗根  
的な群をなすかどうかである程度検証できま  
す                                        
                                          
 三乗根的群の代数的な特徴的な挙動は以下  
のとおりです                              
                                          
 三乗根系の単位元をE、                  
 三乗根ω1、2に相当する行列をA1A2  
とおきますと、                            
                                          
 自乗は相手に変化し、                    
                                          
・A1^2 = A2                        
・A2^2 = A1                        
                                          
 また、3群の総積は単位元に収束し、なお  
かつ可換                                  
                                          
・E *A1*A2 =                    
 A2*A1*E  = E                
                                          
 となります                              
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    
                                          
 5−7−1 もとの赤円上の行列を鏡像    
変換した120度回転行列が三乗根の性質    
を示すかどうかの検証:失敗                
                                          
 ここで                                  
                                          
 符号xyz=+++象現:像は正立 から  
   xyz=−++象現:像は反転、      
さらに                                    
   xyz=−−+象現:像は正立        
                                          
へと二回鏡面変換した場合を考えてみます    
                                          
 以下の図は、関係予測図です              
                                          

図19                                    
                                          
 もとの象現上の赤円環上の120度回転行  
列を象現変換行列:それぞれ逆像と正立      
                                          
-1     -1                          
 1     -1                         
  1行列Q  1行列R                  
                                          
 でそれぞれ移動した結果の行列を考えてみ  
ます(もちろんQ=−N、R=Mです)      
                                          
・象現行列Q:逆像での試行                
                                          
 赤円環上の行列を−++象現変換をすると  
                                          
まず                                      
-1     1   -1                    
 1  1   1                      
  1* 1 = 1                     
                                          
また                                      
-1    1   -1                     
 1    1   1                  
  1*1  =1                      
                                          
ですからそれぞれ自乗して結果を調べます    
                                          
  -1   -1  -1   | 1 |      
1   1     -1  |  1|      
 1 * 1 =1  =−|-1  |      
                                          
 -1   -1    -1  |  1|      
  1   1 1    |-1  |      
1  *1  = -1 =−| 1 |      
                                          
・・・符号を変えてみても互いに一致しませ  
ん                                        
                                          
 次に積をとってみます                    
                                          
  -1  -1  -1                      
1     1  -1                      
 1 *1  =  1                    
                                          
この可換性を調べますが                    
                                          
 -1    -1 -1                      
  1 1    1                     
1  * 1 =  -1                    
                                          
また一致しません・・・                    
                                          
・次に象現行列R:正立の例をかんがえます  
                                          
 赤積円環上の行列を象現移動すると、      
-1     1   -1                    
 -1  1   -1                    
  1* 1 = 1                     
                                          
-1    1   -1                     
 -1    1   -1                    
  1*1  =1                      
                                          
 また一致しません                        
                                          
 これらの自乗を検証                      
                                          
  -1   -1  -1                     
-1   -1     1                    
 1 * 1 =-1                      
                                          
 -1   -1    1                    
  -1   -1 -1                      
1  *1  = -1                     
                                          
 積を取ってみると                        
                                          
  -1  -1  -1                      
-1     -1  1                     
 1 *1  =  -1                    
                                          
 -1    -1 1                      
  -1 -1    -1                     
1  * 1 =  -1                    
                                          
 これも一致しません                      
                                          
 予測がはずれて、疲労のなかで次の戦略を  
考えることができなかったので、寝ることに  
しました                                  
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−2 象現変換後の行列が群をなす  
かどうかについての検証 再試行後成功      
 それらは象現をまたいで成立              
                                          
 後日、ぴかぴかの朝陽のなかで思い出した  
ことは、3次元上はどの変換点に一致するの  
かわからないけれども、確かに負記号をふく  
むこの形式の行列が三要素積算群をなす例が  
存在することを代数検証的に知っていたこと  
でした                                    
                                          
 その例から、挙動の特徴をつかみました    
                                          
 それは行列                              
                                          
  1                                    
-1                                      
 -1 行列S                              
                                          
です                                      
                                          
 これは自乗するとかならず反転形式の      
                                          
 -1                                      
  -1                                    
1  行列T                              
                                          
となり、                                  
                                          
(対応直線 x=−y= z)              
                                          
 これらの積は、つねに単位元E33        
                                          
1                                      
 1                                     
  1                                    
                                          
となりまたなおかつ可換です                
                                          
 条件をみたしているように想えます        
                                          
 ここで拙作のプログラムをよびだして、象  
現八面体のなかで、これらがだいたいどこの  
位置にあらわれているか追跡したところ、こ  
れらは象現をかなりはなれて存在しているこ  
とがわかりました                          
                                          
 象現を離れて存在する、ということはこれ  
らは八面体全体としてある軸の周りを回転変  
換するイメージなのかもしれません          
                                          

図20                                    
                                          
 試行の段階では、もとになっている行列は  
赤円環上の三元積行列をもとに符号を2つだ  
け負値にしたというようなてがかりしかない  
ので、この方針に添って、のこりの2つの例  
を試行したところ、有意な結果を得ました    
 STを含め行列組のあとに記載されている  
直線式は、試行の結果わかった直線式です    
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
  -1                                    
-1                                      
 1                                     
                                          
行列Uでは相手として                      
                                          
 -1                                     
  1                                    
-1                                      
                                          
行列Vであり                              
(対応直線 −x= y= z)            
                                          
  -1                                    
1                                      
 -1                                     
                                          
行列Wでは                                
                                          
 1                                     
  -1                                    
-1                                      
                                          
行列Xです                                
(対応直線 x= y=−z)              
                                          
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 もともとの赤色円環群上の、三元回転群を  
もふくめ、これで、八面体上の回転群は、都  
合4種えられたことになります              
 これは回転軸のよすがとして考えられる3  
次元の基本直線が4種であることと一致する  
ものごとのように想えます                  
                                          
 この項を書いた後日、それぞれの群がどの  
軸に対する回転であるのかを追跡することが  
出来ました                                
                                          
 それは、OctaHdrn.EXEの表示を、厚紙八面  
体の上に書き換えててもとでそれを回転させ  
てみて追跡した結果です(画面内部ではやは  
りわかりにくいのでした)                  
 この八面体の作成データも、ファイル文末  
に載せておきます                          
                                          
 これら3つの群はやはり、x=y=zをの  
ぞく三つの基準直線周囲に、やはり120度  
等角度の間隔を置いて配置されていますので、
それぞれの直線の周囲を循環する固有の積算  
群であるということが出来ると想います      
                                          
 なお三乗根の群に限っては、これ以上のく  
みあわせはないようです                    
 たとえばSTE33の負値行列            
                                          
  -1   1   -1                  
1      1   -1                 
 1   -1      -1                
                                          
 はSTE33と原点点対称の関係にある変  
換幾何図形ですが、これらは三乗根ωと共通  
した理由のため、群をなしません            
 たとえば−Sの自乗をとると当然ですが    
                                          
  -1    -1   -1                
1    1      -1               
 1 *  1  =1                  
                                          
となってTになり−Tにはなりません        
                                          
これは                                    
                                          
(−ω1)^2=ω2                      
                                          
とおなじことです                          
                                          
                                          

図18再録                                
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−3 ある軸の周りを積算循環する  
群が他の軸で回転配置可能かどうか(三乗根  
の関係を持つかどうか)失敗                
                                          
 ひとつ試行としての失敗例を付記します    
                                          
 それは、この群の軸の複数選択可能性につ  
いてです                                  
                                          
 例として行列STのペアを考えます        
                                          
 拙作の俯瞰プログラムでながめたところ、  
STと基本単位元E33                    
                                          
1                                      
 1                                     
  1                                    
                                          
は、ある陽性:左回り回転像性の象現をつら  
ぬく直線の周りに回転配置しているようにみ  
えました                                  
                                          
 ここで、S、Tの基本2点固定線分に対し  
てこの点E33と等距離にある第二の点と回  
転群を作っても、幾何学的にはよいことにな  
ります                                    
                                          
 もし、それがなりたつのであれば、それは  
前述の4種の直線のいずれかの周りに回転す  
ることになるかもしれません                
                                          
 ここで、代数的な挙動から得られる直感か  
らここではx=y=zである予想をしました  
                                          
 とうぜん、この群は、行列S、Tをともに  
含みますから、あたらしい群では要素Eのか  
わりに新しい行列が必要なことになります    
                                          
 ここで、S、Tともに、もともとの        
                                          
  1  1                             
1     1                            
 1  1                              
                                          
 行列の象現移動写像ですかから、第三の要  
素は、単位元E33の象現移動写像であるこ  
とが予想できます                          
                                          
 つまり、                                
                                          
+-1                                      
  +-1                                  
    +-1                              
                                          
の一つの組み合わせであることが予想できま  
す:8通りのうちの                        
                                          
 ここで、S、Tのなりたちを考えてみると、
もちろん赤色円環上の行列EFからの象現変  
換写像ですから                            
 非可換性に注意しつつ、それを作成した象  
現変換行列をもとめてみると                
(以下の例でabcの各値は項目ごとに任意)   
                                          
Sの場合、                                
a     1   1                     
 b  1   -1                       
  c* 1 = -1                      
                                          
ゆえに象現行列は                          
                                          
a 1 a   1                        
b -1  b   -1                       
c=-1   c=  -1                      
                                          
またTの場合                              
a    1   -1                      
 b    1   -1                     
  c*1  =1                       
                                          
ゆえに象現行列は                          
                                          
a -1 a   -1                          
b -1  b   -1                        
c=1   c=  1                      
                                          
となると、これら象現行列は行列同士等価で  
すから、単位元E33を移動させて出来る新  
しい行列およびその象現行列(単位元の性質  
によりこの両者は等しい)は                
                                          
a   -1                               
 b   1                              
  c=  -1                             
                                          
であることが期待できます                  
                                          
 これを行列Yとします                    
                                          
 S、T、Yは可換群を作るのではないかと  
筆算すると、それどころか                  
                                          
  1 -1     -1                    
-1    1  1                      
 -1 *  -1= -1                     
                                          
となって形式さえも一致しません(行列U)  
 もちろんこの積逆も                      
                                          
-1     1   -1                    
 1  -1   -1                        
  -1* -1 = 1                     
                                          
となって不適です(行列V)                
                                          
 この推測の方向性のこころみは失敗のよ    
うです                                    
                                          
 考えてみれば、この試行が失敗したこと    
は、三乗根の基本法則の試行拡張がうまく    
いかなかったことにあるようです            
                                          
 その基本法則とは、                      
                                          
・ω1、ω2において、その自乗は          
常に互いの値に一致する                    
                                          
・単位元をEとするとき、                  
                                          
 E*ω1*ω2 =                      
 ω2*ω1*E =E                    
                                          
である                                    
                                          
 という法則において、二番目の式の右辺と  
左辺のEを別の元として区別できるのではな  
いかという拡張をこころみたわけですが、ど  
うもうまくいきませんでした                
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−4 これらの行列が形成する別の  
性質                                      
                                          
 この試行は失敗しましたが、この2負値を  
含む回転積算群は、ある代数的な構造をしめ  
すことが紙と鉛筆の山から個人的にはわかっ  
ています                                  
                                          
 赤円上から象現移動により行列を移す場合、
行列変換の非可換性から、象現写像行列はひ  
だりから掛けるのが通例ですが、これを逆に  
積算の交換を行うと(つまり、まず象現のミ  
ラーリング変換を行ったのち、回転させる演  
算に当たります)それはことなる結果をもた  
らします                                  
                                          
 これは、3次元空間独特の非可換性です    
                                          
 これらは符号xyz=+++象現からの2  
回ミラーリングをおこなった像正立象現の上  
の基本点                                  
                                          
-1  1  -1                          
 -1  -1  1                         
  1  -1  -1                        
                                          
の回転変換にも相当します                  
:左から行列MNO                        
                                          
 +−120度回転変換ですから、とうぜん  
管轄の行列は二種で、                      
                                          
  1  1                             
1     1                            
 1  1                              
                                          
をそれぞれ左から掛けることになります      
 これらは代数的な関係構造をなし、        
 この二群から新しい行列を作成する試      
行を左右非難可換性をも組み合わせて書      
き出すと以下の関係チャートになります      
                                          
--------------------------------          
             1  -1           1            
         1        -1    -1                
           1   *     1 =  -1    --/       
                                  |       
-1           1              -1    |       
  -1     1              -1        |       
     1 *   1           =   1    --|--/    
--------------------------------  |  |    
             1   1          -1    |  |    
         1        -1     1        |  |    
           1   *    -1 =  -1    --|--|--/ 
                                  |  |  | 
 1           1               1    |  |  | 
  -1     1              -1        |  |  | 
    -1 *   1           =  -1    --/  |  | 
--------------------------------     |  | 
             1  -1          -1       |  | 
         1         1    -1           |  | 
           1   *    -1 =   1    -----/  | 
                                        | 
-1           1              -1          | 
   1     1               1              | 
    -1 *   1           =  -1    --------/ 
--------------------------------          
                                          
 またこれは上記の右辺に着目するとくくれ  
て:以下の式は中央項で共通くくり          
                                          
     1  -1          1   1           1     
 1        -1    -1       -1     1         
   1   *     1 =  -1  =    -1 *   1       
                                          
     1   1          -1 -1           1     
 1        -1     1        1     1         
   1   =    -1 =  -1  =    -1 *   1       
                                          
     1  -1          -1 -1           1     
 1         1    -1       -1     1         
   1        -1     1  =     1  *   1      
                                          
ともかけます                              
                                          
 ここで前々式の右辺、前式の中央の2つの  
負符号を含む三角形の行列に着目すると、こ  
れら三つは演算上等価にみえますから        
 まとめて積をとると何か特殊な関係が出て  
くるかもしれません                        
                                          
 三行列を横に並べ、とりあえず思慮なく順  
に機械的に掛けてやるとその積の形式は、    
                                          
    1       -1      -1                    
-1       1      -1                        
  -1   *  -1   *   1   =                  
                                          
 ですから前2行列を先に演算すると、      
                                          
  -1        -1   1                        
     1  -1         1                      
-1     *   1   =     1                    
                                          
となり単位元E33に一致します            
 やはり何か関係があるようです            
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−5 これらの行列の積算のむきに  
かかわる特異な性質                        
                                          
 ただ、これは一般的にこういう傾向がある  
かどうかはまだわかりません                
 とりあえずこの積算のむきを逆にして演算  
してみます                                
                                          
 この逆式は                              
                                          
    -1      -1      1                     
-1       1     -1                         
   1   *  -1  *  -1   =                   
                                          
ですから                                  
                                          
   1         1  -1                        
     1  -1        -1                      
 1     *  -1   =     1                    
                                          
あれ・・・と想いました                    
 単位元E33になりません                
                                          
 つまりこれらはむきによっては負数要素が  
打ち消しあわないのです                    
                                          
 演算間違いかとおもいましたがそうではあ  
りませんでした                            
                                          
 こういう時は、高名なレンガ職人の息子氏  
のように朴訥に馬鹿になってもくもくと掘り  
進むにかぎります                          
                                          
 すべて総当り的に積算すると、ある傾向が  
見えてきました                            
                                          
・象現写像行列になる場合の組み合わせ      
                                          
 前式の、単位元にならない組み合わせを順  
次ずらして積算すると                      
                                          
     1      -1      -1     1        -1   1    
-1      -1       1           1   1        -1  
  -1   *   1   *  -1   = 1     *  -1   =    -1
                                          
    -1      -1       1     1         1  -1    
-1       1      -1           1  -1        -1  
   1   *  -1   *  -1   = 1     *  -1   =     1
                                          
    -1       1      -1     1        -1  -1    
 1      -1      -1           1  -1         1  
  -1   *  -1   *   1   = 1     *   1   =    -1
                                          
 となって、これは象現写像行列MNOに一  
致します:積算例1                        
                                          
・単位元E33になる組み合わせ            
                                          
 また、単位元になったほうの組み合わせを  
順繰りにずらしていくと、こちらは、        
                                          
    1       -1      -1    -1        -1   1    
-1       1      -1           1  -1         1  
  -1   *  -1   *   1   =-1     *   1   =     1
                                          
    -1      -1       1    -1         1   1    
 1      -1      -1          -1   -1        1  
  -1   *   1   *  -1   = 1     *   -1  =     1
                                          
    -1       1       -1    -1        -1  1     
-1      -1       1            1   1        1   
   1   *  -1   *   -1   =-1     *  -1  =     1
                                          
 となって、こんどはすべて単位元になって  
変わりません                              
                                          
 このことはある着想を得ます              
                                          
 これらの演算は、各行列各要素に対しても  
平等で、結果も代数的には平等なはずです    
                                          
 象現写像行列MNO(まじで何でも折り返  
し)は、じつは単位元Eと相同なのでしょう  
か?                                      
                                          
 この現象はもちろんEと等価な行列Fの側  
でも起きています                          
 こちらも同様に記載をします              
                                          
・象現写像帰結相当:積算例2              
                                          
  -1      1      -1         1     -1    -1    
    -1      -1       1   1           1    -1  
 1     *-1     *-1     =   1   *-1     =     1
                                          
   1      -1      -1         1    -1     1    
    -1       1      -1   1          -1    -1  
-1     *-1     * 1     =   1   * 1     =    -1
                                          
  -1      -1       1         1     1    -1    
     1      -1      -1   1          -1     1  
-1     * 1     *-1     =   1   *-1     =    -1
                                          
・単位元帰結相当                          
                                          
  -1      -1       1        -1     1     1    
    -1       1      -1   1          -1     1  
 1     *-1     *-1     =  -1   *-1     =     1
                                          
  -1       1      -1         1    -1     1    
     1      -1      -1  -1          -1     1  
-1     *-1     * 1     =  -1   * 1     =     1
                                          
   1      -1      -1        -1    -1     1    
    -1      -1       1  -1           1     1  
-1     * 1     *-1     =   1   *-1     =     1
                                          
                                          
 興味深いことです                        
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 積算が基本象現変換行列になる組み合わせ  
にはある一定の規則性があります            
                                          
もとになる行列E とF                    
                                          
  1  1                             
1     1                            
 1  1                              
                                          
 のくみあわせにおいて、積の結果が象現変  
換行列になる場合のくみあわせについて、そ  
の左辺の行列のくみあわせに着目すると      
(積算例1、2)                          
                                          
 左辺のの積式中央項行列に着目すると      
                                          
左辺中央      積結果の右辺 右辺の負化行列
                                          
  1    -1    -1     1  
-1       -1    1     -1 
 -1 または1       -1     1
                                          
これはSTに一致                          
                                          
  -1    -1    1     -1  
-1       1    -1     1 
 1 または-1       -1     1
                                          
これはUVに一致                          
                                          
  -1    1    -1     1  
1       -1    -1     1 
 -1 または-1       1     -1
                                          
これはWXに一致                          
                                          
 ここで重要なことは、行列STUVWXは  
それぞれ単位元E33とともに              
                                          
 x=−y= z                          
−x= y= z                          
 x= y=−z                          
                                          
 の直線の周囲に回転するように配置されて  
いる行列です                              
                                          
 また、右辺の負化行列(負化した理由は単  
純に便宜的な理由にしか過ぎません)は、    
                                          
 任意の点P:xyzを変換移動する行列で  
もありますから                            
                                          
STのペアの場合                          
                                          
1   x   x                        
 -1  y  −y                        
  1 z = z                        
                                          
UVのペアの場合                          
                                          
-1   x  −x                        
 1  y   y                        
  1 z = z                        
                                          
WXのペアの場合                          
                                          
1   x   x                        
 1  y   y                        
  -1 z =−z                        
                                          
 となり、これらの右辺の行列成分をそれぞ  
れ等号で結んで直線の方程式として結合する  
と                                        
                                          
 x=−y = z                        
−x= y = z                        
 x= y =−z                        
                                          
 となってそれぞれ行列が循環する円として  
回転位置に配置されるもととなる親直線の方  
程式に一致することがわかります            
                                          
 なお、負値化していない行列を用いても結  
果は同じです                              
 方程式にした後に便宜相対的に各項を負値  
化する手間が発生するだけです              
                                          
 この事例も厳密な代数的な追跡がもっと出  
来るのでしょうが、ここでは割愛します      
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−6 発展 これらの群がどの平面  
に属するかについての演算                  
                                          
 部分的に一例を考察します                
 他の行列ペアも同様な方法で平面を決定で  
きます                                    
                                          
 行列SとTについてですが、              
 これと単位元E33がもたらす変換上の三  
点が属する平面について考察してみます      
                                          
 初期点をP:xp、yp、zpとおき      
                                          
 SとTで変換される2点とこの初期点が属  
する平面を考えます                        
 SとTによる点は                        
                                          
  1 xp  zp                      
-1   yp −xp                      
 -1 *zp=−yp                      
                                          
 -1  xp −yp                      
  -1 yp −zp                      
1  *zp= xp                      
                                          
 であり、そして初期点は                  
                                          
1   xp xp                        
 1  yp yp                        
  1*zp=zp                        
                                          
 です                                    
                                          
 これらが属する平面を任意定数を用いて表  
現し                                      
                                          
 ax+by+cz=d                    
                                          
とします                                  
                                          
 これは前項で出てきた基準直線のうちのひ  
とつと垂直ですから、ここで、              
                                          
 a、b、c=+−1                      
                                          
 とします(符号のくみあわせは任意です)  
                                          
 上記の三点は平面内の点であり、平面方程  
式の係数と三点の座標は行列上のおなじ演算  
でくくれ、                                
                                          
 掛けた項の総和が値として合致すればいい  
わけですから                              
                                          
       dushxp                    
(a、b、c)dushyp = const         
       dushzp                    
                                          
 という形式で表現でき、                  
                                          
 三点の座標から合算式をみちびくと        
                                          
 azp−bxp−cyp=−bxp−cyp+azp
                                          
−ayp−bzp+cxp= cxp−ayp−bzp
                                          
 axp+byp+czp= axp+byp+czp
                                          
 よってこれらは恒等式なので係数部分はう  
まく一致し、                              
                                          
 a=−b=c                            
                                          
がなりたちます。                          
                                          
 よって平面は                            
                                          
 x−y+z=d であり、                
                                          
 また法線の性質によりこれと直交する直線  
は                                        
 x=−y= z であります              
                                          
 この結果は前項で述べた項目と一致します  
                                          
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−7 発展その2                  
 その循環円の半径について                
                                          
 八面体の紙モデルで観察したところ、      
STUVWX各積算群は、E33とEFによ  
る赤円よりもその半径がおおきいことが推論  
できました                                
 また、その大きさはST以降の三つはひと  
しくみえましたが、                        
 厳密に考えると入力任意点の座標でもある  
E33による変換の座標は4直線            
                                          
 +−x=+−y=+−z                  
                                          
 それぞれからの垂直距離は一致する理由が  
ないので                                  
 その距離は、それぞれの円の半径でもあり  
ますから積算群の配置円の半径は厳密にはそ  
れぞれ等しくないことになります            
                                          
 ここではE33ST循環円の半径を導いて  
みます                                    
 この循環群の円の半径は、その上にある任  
意の点の座標により決定されますから        
 代表点をE33に属するx、y、zとおき  
ます                                      
 この点の座標から所属円の半径を導き出す  
式を考えてみます                          
                                          
 参考に項目5−2の式と概念を使用してい  
ます                                      
                                          
 平面と直線に対する法線ベクトルは        
                                          
 1、−1、1                            
                                          
 ですから任意の媒介変数をkとおくと       
                                          
   →                                  
   Q                                  
                                          
→ ^----->                               
U |  /                                
  | / →                              
  |/  P                              
  原点                                  
                                          
 とすると                                
                                          
 これらは直角三角形でありますから        
                                          
→Q=x-k,y+k,z-k                         
                                          
→U=k,-k,k                              
                                          
 3k^2-2k(x-y+z)+x^2+y^2+z^2  Qの絶対値の2乗
+3k^2             Uの絶対値の2乗
                                          
        =x^2+y^2+z^2  Pの絶対値の2乗
                                          
 ゆえに差分をとり係数2で割って、        
                                          
k(3k-(x-y+z))=0                           
                                          
 ここでkは0ではありませんから           
                                          
  x-y+z                                 
k= ------                                
   3                                   
                                          
を得ます                                  
 ここで求める円の半径はQの絶対値ですか  
ら、その2乗は                            
                                          
(x-y+z)^2 *(-1/3)  +x^2+y^2+z^2        
                                          
となります                                
                                          
 また同じ条件でE33EFの半径は後ろ半  
分が同じく                                
                                          
(x+y+z)^2                                 
                                          
です                                      
                                          
 係数に負値がついていますから、前者が後  
者よりおおきいと仮定すると                
 2乗部分は前者が後者よりも小さいことを  
要請します                                
                                          
 xyz値は任意の値なのでこの条件は厳密  
に調べなければ常に小さいことは証明できま  
せんが、                                  
 すくなくともこのxyz各値が値が近けれ  
ば前者の式はおおむね小さいことが期待でき  
ると想います                              
                                          
 試行終わり                              
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−7−8 この三つの群について、積算  
のむきがかわることに関連して結果がまった  
く違うものになることについての考察        
                                          
 この性質を一言で言い表す、というとこの  
表現はおこがましいかもしれませんが、それ  
はパリティということになるのかもしれませ  
ん                                        
 空間幾何独特の鏡像の偶奇性、という意味  
での物理学用語です                        
                                          
 この項での、                            
 この性質を一言で言い表すとすれば、      
                                          
 もともと完全に対称であった4方向の直線  
が、ある演算のがわから見た場合、かならず  
しもおなじようにはみえるとはかぎらない、  
ということです                            
                                          
 この現象を、自分の知っている概念        
にもとづいてくくることにするとそれは、    
                                          
行列                                      
                                          
1                                      
 1                                     
  1                                    
                                          
と行列の束:MNO                        
                                          
-1  1  -1                          
 -1  -1  1                         
  1  -1  -1                        
                                          
 をそれぞれを対称性的に対等として扱う、  
という概念です                            

図21                                    
                                          
 その概念的な味噌は、塩辛くて明快な味の  
赤味噌というよりは、より繊細でいいかたに  
よってはいやらしい白こうじの味に近く、    
                                          
1                                      
 1                                     
  1 の反値である                      
                                          
-1                                        
 -1                                     
  -1 が演算現象として分離したものが、  
MNOである、という把握をすることにあり  
ます                                      
                                          
 実際MNOの性格は四元数に近く、三積は、
この単位元の負の値に一致します            
                                          

図22                                    
                                          
 これら3元が収束し、ひとつの負の単位と  
して扱うことが出来れば、これは単純に積算  
群の回転のむきの問題に過ぎなくなります    
                                          
 この概念が厳密な理論で正しいかどうかは  
もちろんわかりません                      
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−8 空間変換の、24個の行列の分類  
                                          
 八面体上の変換行列は、各面に6個ありま  
すから、8*6個で=48個です            
 これらはお互いが正負の同質の行列を含み  
ますので、本質的には24種になります      
                                          
 この分類は、個人的な恣意的な分類なので、
理論的に適切なものであるかどうかはもちろ  
んわかりません                            
                                          

図23                                    
 この図は、おもに行列積の関係性にもとづ  
いてまとめたものです                      
                                          
 うえから三つ続く赤の横の楕円の円群は、  
これらの三要素が、互いに対等な積算群を示  
すことを示しています                      
                                          
 黄色線の上にEFに相当する積算行列がふ  
たつあり、                                
 また上部のふたつの赤線円上にそれぞれ    
ある三点は、先ほどの循環群ST、UV、W  
Xを示しています                          
                                          
 積算関係線が集中する中央点は、単位元E  
33です                                  
                                          
 下部の三色の、アイスクリームのコーン状  
の群は、鏡像変換を起源とする行列の群であ  
り、                                      
 それらは同じ色の四つずつまとまって、八  
面体上の任意の四面体の頂点を形成します    
                                          
 三色の突端に位置し、大きな赤楕円でむす  
ばれる点は、基本象現写像行列MNOです    
                                          
 点の配置は、うえから                    
                                          
 EとF 2個 黄色線上部                
                                          
 SUW 3個 赤円上                    
 TVX 3個 赤円上                    
                                          
 E33 1個 中央白点                  
                                          
 MNO 下部赤大円のそれぞれの突端      
                                          
 あとそれぞれの下部色環のなかにそれぞれ  
4個の行列がありますので、残りは12個、  
                                          
 よって                                  
 しめて24個の点になります              
                                          
 表現が重複しますが、                    
                                          
・縦黄色線上のふたつとEからなる群        
・上部ふたつの赤楕円                      
・レンガ色の縦三角形三つ                  
・下部の大きな赤楕円                      
                                          
 は、3要素からなる積算群を形成しますが、
                                          
 傾向として、三つの横赤楕円は、その演算  
として、四元数的な色彩を帯びています      
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−8−1 鏡像起源の行列の詳細分類    
                                          
 上図を3面で構成されているものとして分  
解した一ピースを示します                  
                                          

図24                                    
                                          
 ここではしたむきのコーン部についての解  
説をいたします                            
 下の群赤線上に乗っているのが象現基本写  
像行列MNOのうちのひとつです            
 図24ではOが表示されています          
                                          
 円環上の二点と、コーン上の2点が導く点  
はつねに八面体上で、四面体の頂点を変換と  
して導きます                              
                                          
 円環上の2点と、コーン上の二点は単位元  
E33とMNOのうちのえらばれた1点との  
あいだに別々に積算群の関係があります      
                                          
 これはもちろん、そう理解したほうが      
わかりやすい、という意味でしかありません  
                                          
 円環上の点は、たとえば行列Oとのあいだ  
に3乗根的な性格の結合をもち、            
 コーン上の点は、E33とOを両方の衝と  
する4乗根的(四元数ではない)な挙動の結  
合をしています                            
                                          
 以下、各3ピースごとの具体的な行列図を  
上げておきます                            
                                          
図3つ                                    
                                          

24 x 成分固定 鏡像行列はO             

25 y 成分固定 鏡像行列はN             

26 z 成分固定 鏡像行列はM             
                                          
                                          
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 5−9 付録 行列八面体厚紙モデル      
                                          
 これは、カラープリンターで打ち出し、の  
りしろで貼り付けて八面体構造体を作成する  
ためのデータです                          
                                          
 このドキュメントの画像ホルダである      
CENTIMGWディレクトリに                    
                                          
 d3octnorth/octsouth1から4.gif           
                                          
 の8つの画像として収録されています      
                                          
 ペイントソフトなどで読み込み、適宜拡大  
してはさみとのりで組みたててください      
                                          
 面のむきは、                            
                                          
 八面体の北極方向から見て時計回りに、    
                                          
    North3                           
North2    North4                    
    North1                           
                                          
 となります                              
                                          
 また、South面は、北の数字と同じ面が来   
ます                                      
 寒色と暖色がたがいちがいになれば合致し  
ています                                  
                                          
 以下に北葉第一面の例を表示します        
                                         

図27                                    
                                          
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 5−10 付録 行列関係図3面プリント  
アウトモデル                              
                                          
 これは、前述の行列積算図24ー26図の  
プリントモデルです                        
                                          
 葉は理論上3ピースですが、3葉を切り込  
みをいれて組み合わせると、紙がちぎれてし  
まいますので、糊あわせで6ピースにしまし  
た                                        
                                          
 同じくホルダに、                        
d3concern1xnorからd3concern6zrev.gif、    
                                          
 紙の組み合わせ図は以下です              
                                          
 6枚のプリントアウトを出し、正中線で白  
紙面を外側にして折り、余白を切り捨てます  
                                          
 6枚を折り目を背中合わせにして白色面を  
糊やクリップではりあわせます              
                                          
 順番:上から見た図                      
                                          
   六枚目                              
五枚目   三枚目                        
二枚目   四枚目                        
   一枚目                              
                                          
です                                      
                                          
 色をあわせてはりあわせてください        
                                          
 はりあわせに伴い、おなじ紙でも論理象現  
がことなりますので、                      
 WEB表示と画面の行列記入の種類がこと  
なりますが、間違いではありません          
                                          
 なお、三枚目はたくさんいますが、二枚目  
がすくないのは筆者の責任ではありません    
 男の子は社会全体で責任をもってそだてな  
くては、決していい男にはなりません        
(何の話や)                              
                                          

図28                                    
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−11 カンディングスキーについて:  
余談                                      
                                          
 この名前をご存知の方はかなり美術史にく  
わしい方でしょう                          
                                          
 このひとは、日本でいえば大正時代の前後、
二度の世界大戦の間のヨーロッパにおいて美  
術のダダイズム時代のなかに名前が見られる  
ひとです                                  
 筆者は氏のくわしい略歴は知りませんが    
(正直ほれ込むと言う意味での興味はありま  
せんね・・・)おそらくなまえからロシア系  
のドイツ人だろうとおもいます              
                                          
 ダダイズムとは、中心的な人物であったエ  
ルンスト・アルプ:アルプとはalpでありア   
ルプス山脈のalpであり、アルファベットの   
alphであり、ヘブライ語の第一文字でカント  
ールのおそろしい記号アレフのことでもあり  
ます                                      
 が有名ですが、そのほかにも              
 幾人かの活躍がしられているようです      
                                          
 カンディングスキーは、記憶に間違いがな  
ければ本業は法律家で、画業は余暇でした    
 その描表と画報は幾何学模様を主体とし、  
一種こんにちCAD画面を髣髴とさせるもの  
があります                                
 設計技師の方など、こんにちの原色あふれ  
る美しすぎるPC上のCADにテクノアートを  
みる人もあるでしょう                      
                                          
 なぜこの氏の名前をここに出すのかと言う  
と、筆者が数学論理図の下書きに、その背景  
を見やすくするために黒色背景をグレーにぬ  
りかえたその瞬間に、                      
 氏の名前を瞬間的におもいだしたのでした  
                                          

図29                                    
                                          
 ダダイズムの時代は、映画「メトロポリス」
の美女ロボットのフォルムが象徴的かもしれ  
ません                                    
 都会の時代であり、消費文化の時代であり、
 素直な感性により、美術のより無垢な感性  
を尊重しようという                        
 いわば消費文化による「都市子宮」のなか  
のあどけない胎児の夢のようなものだったの  
かもしれません                            
 そういえば、美女ロボットの名前はたしか  
「マリア」だったような気がします          
                                          
 しかし全世界的に過剰在庫の倉庫が崩壊し  
て、過酷なナチスの時代が来たときに、      
 表面的なフィーリングにとどまり、本質に  
切り込むという飢えと戦いの記憶を失った時  
代はなんのちからももっていませんでした    
 ダダイズムが過去になりつつあるわたした  
ちのニューミュージックの時代と同じく、女  
性的な性格をもっていたことは人間の本質と  
して共通の現象だったのかもしれません      
                                          
 ジャーナリズムが力を持つのは、つねに戦  
争の悲惨の記憶から有効な時間半径の領域に  
限られるようです                          
                                          
 消費文化の時代が崩壊した時代、おもにド  
イツで力をもったものはハーバー・オストワ  
ルド法による火薬と肥料の製造でした        
                                          
 カンディングスキーの絵がもし、直感の感  
性として、都市の青焼き設計図や電線や配管  
の幾何学模様からの影響であるのならば、そ  
の本質とは幾何美よりもその構築物がアンモ  
ニアの流体をいかにうまく操縦できるか、と  
いうその機能の本質にあったことでしょう    
                                          
 カンディングスキーの種類の絵を製作、鑑  
賞するのにもっともふさわしい資質は、本質  
的にプラントを理解し、運営できる実務的な  
経験でしょうね                            
 それができて初めて構造美が深く理解でき  
るという種のことは、おそらく寺田寅彦なら  
そういったと想います                      
                                          
 そうでなければ、機能美でない過剰な装飾  
を看破できない消費に操作される門外漢にな  
ってしまうでしょう                        
                                          
「カンディングスキーに興味がある、という  
人がいてもカンディングスキーが大好きだ、  
というひとは、いないようだ」              
                                          
とは某新聞の美術欄を担当していた(たぶん)
Aさんの言葉ですが、これは「設計図を理解  
できるようには時間が掛かる、あるいは設計  
図から機能美を感じるようには時間がかかる」
ということと同義なのかもしれません        
                                          
 ・・・まわりくどすぎる、といういみでは  
確かに万人のものである美術ではないことな  
のでしょう                                
 テレピン油の軽快な水墨画であったフラゴ  
ナールの絵などとは、まさに対極にある態度  
です                                      
                                          
 舞踏風美術で自らのなかに動的な宇宙を将  
来させることと、機械に息子としての愛着を  
感じることができるかということが          
 おなじ美術や芸術としてあつかえるかどう  
かということには、おおくのひとにとっても  
ちろん議論の対象になる問題なのは言うまで  
もないことでしょうが。                    
                                          
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 5−12 基本図形の斜辺などの数値につ  
いての演算証明                            
                                          
 ここでは、普通に見掛ける立方体等の幾何  
寸法をベクトルや幾何を使って証明する方法  
をかいてみたいとおもいます                
                                          
 このような考え方を知っておけば何かに、  
役立つかもしれません                      
                                          

図30                                    
                                          
 ここでは、                              
                                          
「xyz空間で、それぞれの軸に値1で交わ  
る平面が、                                
 原点からの最短距離としていくつの値を取  
るか」                                    
                                          
 ということを演算してみます              
                                          
 この図で、平面上の点Pは                
その値、xp、yp、zpについて、        
xp=yp=zpと言う条件が成り立ち、    
                                          
 これらは以下のような三角錐の形状の関係  
を成すことがわかります                    
                                          

図31                                    
                                          
 問いは、この図における水色の垂線の長さ  
をもとめることになります                  
                                          
 水色の長さは、緑色の長さ1の斜辺をもつ  
直角三角形の一線船分ですから、この図のピ  
ンク色の線分の長さがわかっていることが、  
必要になります                            
                                          

図32                                    
                                          
 知識としては、正三角形の中心を通る線分  
の比率の区分は、頂点と底辺分は2対1にな  
ることが知られていますが                  
 今回はこの証明も込みで行ってしまいます  
                                          
 もとめる問いの値にとっては、図32にお  
ける頂点と中心からの値が必要となります    
 またここで、これは正三角形ですから、頂  
点から底辺までの垂線の全体の長さは、三角  
形の一辺の長さを2r                      
:rは屋根辺の意味でRoof:とすると、  
ピタゴラスの定理として3の平方根になりま  
す                                        
 この条件で、中心から頂点と底辺までの垂  
線の比率をもとめてみます                  
                                          

図33                                    

図34                                    
                                          
 これは、図33と34のふたつのともに相  
似な直角三角形において、左下の角度theta   
が同じことに着目して演算します            
 経験則としてこの角度が360度区分で3  
0度であることを私達は知っていますが、こ  
こでは、それをしらないとして、この角度を  
任意にthetaとします                       
                                          
 図33において、三角関数の概念を使うと、
求めるべき頂点と中心までの長さは、これを  
t(temporary)とおき、                   
                                          
r=t*cos theta                         
                                          
 の関係があります                        
 よって                                  
                                          
     r                              
 t=−−−−−−                        
   cos theta                          
                                          
 また、図34により                      
 外辺2rを斜辺とみなした場合、          
 _                                      
/3r=2r*cos theta                  
                                          
ですから                                  
 この二式を連立すればtが求まります      
                                          
rを払い、                                
       _                          
cos theta=/3 /2                    
                                          
とし、                                    
    2                                
t= ------*r                          
    _                                
   /3                                
                                          
ゆえに                                    
                                          
     _                              
  2*/3                              
t=−−−−*r                          
    3                                
                                          
を得ます                                  
                                          
 また、rを正三角形の大きさの単位にする  
かぎり、頂点と底辺までの線分の長さは      
r*3の平方根ですから、頂点ー中心と      
中心ー底辺の長さの比率は自動的に2:1に  
なります                                  
                                          
 錐における頂点と底面の長さの証明に戻り  
ます                                      
                                          

図31再録                                
                                          
 このピンクの長さttが定まりましたので、
水色の長さがわかります                    
                                          
 正三角形の黄色の斜辺2rの値は、        
 _                                      
/2ですから                              
                                          
   _                                  
  /2                                  
r=−−−                                
   2                                  
                                          
水色の長さをqとおくと(quest)、         
                                          
q^2+t^2=1                        
                                          
ゆえに                                    
                                          
q^2=1−t^2                        
                                          
またこれにより                            
                                          
   _   _  _                    
  /2*2/3 /6                    
t=−−−−−−=−−−                  
   2*3    3                    
                                          
                                          
    9−6   1                    
q^2=−−− = −                    
     9    3                    
                                          
よってqは正の値とすると、                
                                          
    1                                
q= −−−                              
    _                                
   /3                                
                                          
となります                                
                                          
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
                                          
 応用                                    
                                          
 一辺1の正六面体を考えます              
                                          
 ベクトル座標的な概念から、もっとも遠い  
点同士を結んだ線分を考えます              
 この線分の長さは座標的には原点0と      
x=y=z=1としての点Pとの長さOPに  
なりますが、これもピタゴラスの定理の応用  
により、                                  
__   _  _____                
OP =/3=/1+1+1                
                                          
です                                      
 ここで、先の                            
         _                      
   1    /3                      
q=−−− = −−−                    
   _     3                      
  /3                                  
                                          
 ですからそれらの比率は1:3になります  
                                          
 よって、正六面体を鋭利な包丁で三角錐を  
切り取るように切り離すことが出来れば      
                                          
「任意の線分を三等分せよ」                
                                          
 という古来からの問題のひとつを解決する  
部分的な解のひとつになります              
                                          
                                          
 ・・・・よくよく考えてみれば            
                                          
 これは正三角形を作図できれば、その頂点  
と底辺までの垂線はその中心(中心はほかの  
頂点からもうひとつあらたに垂線を下ろせば、
おのづから定まります)                    
 により2:1で分割されますので、        
                                          
 別に立体を持ち出す必要はかならずしもな  
いのでした                                
                                          
 これは、重要な事柄として、              
                                          
 正三角形にせよ、正六面体にせよ、        
                                          
 その斜辺や一辺が任意の大きさの、図形を  
作図することは出来ますが、逆に            
 任意の大きさの線分から、それを垂線や対  
角線としてもつ、正三角形や正六面体は、    
                                          
 「厳密には」                            
                                          
 作図できないのです                      
                                          
 これは平方根であるルート2やルート3が  
無理数であることに起因します              
 無理数は、その値を有限回の演算によって  
定義することは出来ません                  
                                          
 よって、厳密には任意の長さの線分に対し  
て対応する三角形や立方体を「有限回」の近  
似作図では定義できない、ということになり  
ます                                      
                                          
 この方法による有限線分三分割は、厳密理  
論としては不可能なことになります          
                                          
(また、単純に1/3=0.333・・・とい  
うという数は無理数ではなく循環小数という  
有理数ですが、これは定義・式表現はできま  
すが厳密な値には到達し得ない、という意味  
でやはり長さ三分割問題が不可能なことを意  
味しています                              
                                          
 ただ、正三角形と正六面体が垂線や対角線  
から作図できない、ということとこの直接的  
に三分割できないという問題は、問題の種類  
が違います                                
 前述の問題は、図形が作図できないので、  
議論がそれ以上先に進めない、ということで  
あり、任意の線分が厳密に三分割できるかで  
きないかという問題のはるか手前で論理的な  
挫折と言う息切れを、しているだけにすぎま  
せん                                      
                                          
 その値をもとめることに関しての数の種類を
ここに参考までに付記しておきます          
                                          
有理数 単純な方法で値が定義できる数      
 整数 議論の出発点の概念                
 有限小数 有限な大きな数からの反拡張の概念
 無限小数                                
  分数=循環小数                        
   分数を小数表現した表記分数に変換可能
                                          
無理数 直接的には値が定義できない数(無限小数)
    逆関数としては定義が可能          
超越数 直接的には値が定義できない数(無限小数)
    逆関数としては定義が不可能な数    
(定義そのものに、すでに無限回の演算が必要)
                                          
 実はこのような便宜的な分類も厳密に考え  
てみると数学的な厳密さから再考が必要な物  
事もあります                              
                                          
 たとえば、                              
                                          
 0.000000・・・・・1            
                                          
 と0の桁が無限に続く小数は一見無限小数  
のように見えますが、無限の論理によればこ  
れは値0にひとしく整数です)              
                                          
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